2009 年 5 月 5 日 火曜日
不動産投資の大きな誤解を一つ指摘します。良く不動産投資のブログやサイトで書かれている「3年で2億の不動産資産を構築したノウハウ」云々ありますが、誇大広告と言って良いでしょう。
「3年で2億の不動産資産と負債を負った…」というのが正しいところでして、不動産投資ローンを組んで不動産投資を始めたばかりでノウハウなんてあると思えません。
不動産投資が本当に失敗せず成功の過程に入ったと言えるには、物件を購入してその後返済が進み、大規模修繕も行い、それでも満室か高稼働率で物件を運用している必要があります。本当に成功したと言えるのは残債がゼロになるか、残債と資金収支累計額が同額になった時点ではないかと思います。
(資金収支累計額が残債と同額になるという事は期限前完済が可能になったという事を意味します。)
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by 向井啓和
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2009 年 5 月 3 日 日曜日
ゴールデンウィークなので休むつもりでしたが、急きょ他の買い手と競っている案件を他の担当が詰めるという事で出てきました。
不動産投資において迅速な決断は重要です。何億円の物件を買うのに100万単位の差値を検討して他の競合に取られたり、契約日を決めきれない中で他に取られたり等日常茶飯事の事です。
そんな中「直ぐにでも契約する」という気迫は売主や元付け業者にも伝わります。物件を引き寄せる要因になります。
いつまでも刻んで買い上がっていると、他に取られてどうしても買っておきたかった物件が買えないことになります。
不動産投資のご相談は http://www.minato-am.com/
by 向井啓和
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2009 年 4 月 27 日 月曜日
大規模修繕をいつするかは不動産投資をする上で重要な戦略上の意思決定になります。また、そこを間違えると不動産投資で失敗する可能性のあるところでもあります。
弊社お客様でも修繕が十分されていない東京都内の物件を現況で安く買われてその後の大規模修繕をどの程度するかで悩まれています。
大規模修繕で費用を掛けるか掛けないかのポイントは足場を組んでやる大規模修繕をやるか、部屋の中や屋上などから「軽くやる」大規模修繕かによって異なります。
ある程度の規模のマンションになると足場を組むだけで1日、2日掛りコストも数百万となります。どうせ足場を組むなら当分足場を組まなくて済むようにしっかりとやるべきです。
意外と「小分けに大規模修繕」をしようと思うとコストが掛るものです。大規模修繕をやるまではうじうじしますが、やってしまえば後は気分爽快?となるので大規模修繕をするときは思い切って大規模に行かないといつまでも問題が後に引きます。
また、東京都心よりも千葉や埼玉の業者の方が費用は安いのですが、大規模修繕の責任を取らすにはある程度近い業者にやらせる方が実は効率が良いです。
(もし大規模修繕しても問題があれば小さな手直しをタダでやってもらうなど出来ます。それが安い遠隔地の業者だとそんなこと対応してくれません。)
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2009 年 4 月 7 日 火曜日
売れない魚屋で魚を何故買ってはいけないのでしょう?
考えてみましょう。答えは簡単です。
魚が古いからです。
では売れない不動産屋はどうでしょうか?
売れない不動産屋には在庫物件はともかく情報が古いものしかありません。
例え在庫物件でも新しい情報は貴重です。例えば「3月中では売値4億のRCマンションが、4月には2億5000万で売る」という新しい情報は貴重な物です。この情報があれば買わない人が一転買う人に変わります。
では売れない不動産屋にその情報をわざわざ教えてくれる暇な人が居ますか?
居ません。
情報は売れる所に集中します。こんな時期でも他社でも売れている出来る営業マンはなかなかつかまらず苦慮します。
(経済学的に言えば「情報の非対称性」とでも言う現象が発生します。情報は全ての人に均一に行き渡らないという事です。情報の非対称性については http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%83%85%E5%A0%B1%E3%81%AE%E9%9D%9E%E5%AF%BE%E7%A7%B0%E6%80%A7)
by 向井啓和
不動産投資で今日の情報を得たければ http://www.minato-am.com/
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2009 年 4 月 6 日 月曜日
本日弊社物件調査の担当が東京都心、城東、千葉県西部の3棟の物件調査に行きました。その際大規模修繕の状態が分かる形で写真を取ってもらいました。不動産投資に重要な修繕状態の優劣をみる一つの材料になるのでご紹介します。
こちらの2枚の写真は某ファンドが信託受益権としてお持ちの物件です。ファンドの物件というのは利益優先であるという事と短期保有が多い為修繕が十分なされていないケースがあります。こちらの物件の屋上などが典型的な修繕状態が手抜きの例です。
大規模な修繕が必要な時期が来ていても、それを小規模な継ぎ目を補強する修繕で当座をしのぐという典型的な仕事例です。本来の大規模修繕は全部下地をひっぺがえしてやり直しというのが本筋だという事です。(ビルメンテナンスのプロ曰く)
継はぎの上に継はぎをのせるというのでは本来持つべき建物の寿命が縮まってしまうというのが指摘になります。こういった修繕はやらないよりはましですが、それはあくまでも小規模修繕とみなして、大規模修繕とみなさない事が重要です。
利回りに目がくらんで熱くなるとこういった所に目が届かなくなります。
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by 向井啓和
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2009 年 4 月 5 日 日曜日
不動産投資をする際、もしくは不動産投資をする方へアドバイスする際に常に念頭に置いているのが不動産投資への迷いです。
誰でも購入前には何回か迷います。私自身も物件持っていますが必ず物件購入時には迷います。また、そのタイミングは大体3、4回くらいあります。
1. 買付を出した後売主がOKした際(もっと安く買えたのではないかと迷い)
2. ローンが通った後(もっと安い金利の先あったのではないかと迷い)
3. 決済の前(ただ漠然と大丈夫か他にもっといい物件あるんではと不安に思います。)
4. 決済の後小さい瑕疵や修繕必要個所が見つかった時(もっと良く調査しておけば良かったな、拙かったかなと思います。)
不動産投資で稀に居る一番怖い人は殆ど自分の頭で考えずにリスクを感じない人です。リスクに対して不感症になっている人が一番恐ろしく、近寄りがたい人です。不動産投資において迷いや不安を感じるのは当然の事です。むしろリスクに対して向き合う健全な姿勢だと思います。
ただ、その迷いが次の段階に行っても消えずにぐずぐずしていると最高の投資案件を見過ごしてしまう事になります。
自分が望んでいた様な物件が出てきて、買い付けも通って、ローンもOKになって、契約さえすればという段階まで進めてもらったのにも関わらず、迷われたりするとその人はチャンスの女神の前髪をつかみ損ねることになります。
批判的、客観的に物事を見ることは重要である一方どこかの段階で仲介業者や売主への信頼感を持てない人は難しいなと思います。
(一度あったケースでは一カ月掛けて銀行融資を得たにも関わらず、売主が地方の人で時間の融通が利かないと知りながら買主が我を通されて心象を悪くし、売ってもらえなかった事があります。契約日の日取り調整だけでおじゃんですから仲介業者は馬鹿を見ましたが…)
不動産投資に限らず株式投資でもそうですが、買う直前までいろいろ悩んで買いに入った物は意外と高パフォーマンスを上げます。一方、あまり考えたり悩まず買うと後で思わぬロスを被ります。不思議な物です。
そんな中で私たちが気をつけているのが、お客さんがあまり「熱く」なり過ぎない様にすることです。自分が望んでいた様に利回りも高く、RCで、築浅で、積算が出て、フルローンも出てとなってくるとお客さんが熱くなりすぎて却ってそれがマイナスに作用するからです。頭が熱くなり過ぎるとしばらくマイナスの要素が目に入らず推移しますが、冷めた瞬間に急に色々なことが気になってくるからです。
by 向井啓和
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2009 年 4 月 1 日 水曜日
「不動産投資の失敗」というキーワードで検索される人が多い様なので、関心が高いと思いますので不動産投資の失敗に関して書こうと思います。
不動産投資の失敗事例の多くは大体以下の様に大別されます。
1. 目的意識がはっきりせず「不動産投資をすると節税出来る」等の言葉に釣られて行った場合
2. 金額が小さい物件だからと言ってリスクの大きさを考慮せずに行った場合
3. 短期投資や短期間で資産倍増、三倍増等の達成の困難な不動産投資を行った場合
4. 借入金融機関の選択や借入タイプや期間の選択を間違えた場合
5. 遠隔地の物件で管理が手薄になる場合
1. 一番多く見受けられるのがこのタイプかも知れません。何となく、節税出来るという言葉に引かれて新築ワンルームマンション等を 買っている人が一番多く見受けられます。本来は一棟物物件を購入出来る、もしくはする予定があるにも関わらずに行って後で 後悔して居る人もおります。一番驚いたのが某メガバンクの銀行マンの方がワンルームマンションを買った後に相談に来られた時です。
2. 「金額の大小」と「リスクの大小」は異なると言う事、必ずしも比例しないという事を理解されていない方にこのタイプが多いです。 よっぽどの好立地の物件の場合はそうでもありませんが、シングルテナントリスクといってテナント一人(社)が抜けると家賃が 入らなくなるというリスクを認識されていない場合です。
3. 短期間に欲張り過ぎて購入と借入を膨らまし大規模修繕やその他のコストの準備も無く買われている場合です。セミナー等で盛り上げ られて熱くなり過ぎた方に良く見られます。「不動産取得税?其れ払わなきゃいけないんですか?」と半年に2物件買われた人と話を して唖然としました。
4. 最初に購入される方に多い間違いですが、本当は一棟目等はメガバンクからの借入で物件を購入出来た人が業者の勧めによって金利の 高いノンバンク等から借入た場合。順番を逆にすれば何棟か購入できるチャンスがあっても、先に高い金利の先から借りてしまうと 選択が狭まります。(但し、メガバンクから借入出来ない人は仕方ありません。その場合には事前にそう言ったお話しをします。)
5. 地方在住の方で電話営業を受けて、東京や名古屋、大阪の物件を買う場合です。特に新築ワンルームマンションの販売業者は電話営業 を朝から晩までさせて販売しています。ワンルームマンションを結局安く手放している方を見ると結構地方の方が多くおられます。
その他不動産投資の失敗例は多々ありますが、失敗は小さく、成功は大きく行く様に学んでいく必要がありますね。
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by 向井啓和
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2009 年 3 月 18 日 水曜日
アメリカの不動産投資で損をした人とたまたま会って話をする機会がありました。不動産管理法人を設立してファイナンスして転売目的物件を購入してそれを転売という考えだったそうです。
ただ、折からの不動産不況で損してその会社を閉めたそうです。
クリエイティブファイナンスと言って日本ではあまりなじみの無いオーナーファイナンス系の取引で儲けるという算段だったようですが、リスクが大きすぎた様です。(日本語で言えば手付金オプション取引とでも言ったら良いと思います。)
オーナーファイナンスは一見自己資金の投下が少なくて良い様に思えますがレバレッジの高い投資ですのでリスクが高いです。レバレッジ的には10倍前後かそれ以上になります。しかも多くの物件が戸建てやシングルテナント物件だった様で不況で入居者も出て売れずにしかもキャッシュフローも回らず失敗したとの事です。
日本のフルローンでの物件購入もリスクがありますがテナントが多数いる物件で行うのでリスクは日本の方がまだ低いと思われます。
アメリカも日本も同じ点はキャッシュフローが単独で回らない物件を無理やり買うと後で厳しくなるという事です。特に日本はキャピタルゲインを狙うことがナンセンスなのでより慎重になるべきです。
アメリカは移民で人口が増えますが、日本では今のところ人口が増えない予想になっていますので・・・
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2009 年 3 月 17 日 火曜日
信託受益権物件の売買の注意点としていくつかご指摘したいと思います。不動産投資案件である程度の規模以上になってくると避けて通れませんので以下の点に注意されたら良いかと思います。
1. ER(エンジニアリングレポート)と実際の大規模修繕の履歴を比較する。
2. 保証会社がどこかそしてその財務状態を調べる。
3. 入居者の退去通知や滞納状態に関して確認する。
等です。
1. ER(エンジニアリングレポート)と実際の大規模修繕があまりにも大きくかけ離れている場合には、ファンドが大規模修繕のコストを絞り利益優先になっている場合があります。
えてしてファンドは物件を短期保有するつもりで持っているので大規模修繕にお金を掛けません。購入後+アルファのコストが掛かることを見越して買付価格を考慮しましょう。
2.ファンド系物件で多いのがどこかの保証会社を間に入れている入居者が多いことです。問題はその保証会社が本当に保証出来る能力があるのかです。
保証会社を運営していたリプラスが代表例ですが保証があると思っていたのがその会社が倒産するとそれが消滅します。今後も保証会社の倒産等があるかも知れませんので気をつけましょう。
3.入居者の退去通知や滞納状態に関してはファンド物件の場合情報がストレートに来ません。
多くの場合、「賃貸管理会社→物件管理会社→アセットマネジメント会社→売主側仲介会社→買主側仲介会社→買主」
となっており、滞納情報等が伝わるのに時間が掛かります。いつも情報伝達が遅れる事に関しては苦慮しますが、この点はファンド物件の難点といって良いでしょう。
ただ、その分通常の物件よりも買い手の競争にさらされづらく安く買えるメリットはあります。(現在はだいぶそれでも競争が出てきていますが・・・)
by 向井啓和
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2009 年 3 月 5 日 木曜日
リプラスが去年破綻した影響で、投資用不動産の賃貸契約の保証が切れた案件が散見されます。リプラスの対応が悪かったせいもあって、そういった物件に住む入居者が家賃の支払を遅れ目にする様になったことから滞納者が多く見れるのも特徴です。
物件情報の開示の際に滞納が無い物件でも「半数の人がリプラス保証でその保証が消えました。」というお話は物件の契約直前で開示しなければならないと売買が流れるケースが多い様です。
実際に保証がないからと言って滞納者から取りっぱぐれるかといったらそうでもないですし、実際上のリスクはそれ程高くは無いのが実情ですが契約の「直前」にそれが発覚して投資家にお伝えするとなると投資家の方が消化仕切れないのかなと思います。
昨年9月末前後に契約決済した物件でも同じ問題がありましたが、それには急いで他の保証の「あて」を見つけて事なきを得ました。不動産投資のお手伝いは一筋縄では行かないですね・・・
by 向井啓和
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