2010 年 6 月 12 日 土曜日
だいぶ前ですが不動産投資に関係ある総務省発表の住宅・土地統計調査というのが出ましたのでご紹介します。http://www.stat.go.jp/data/jyutaku/2008/10_1.htm
簡単にまとめると平成20年調査によると空き家率が13.1%と全国を通じて過去最高となったそうです。全くほったらかしにされている物件も、そうでない物件もトータルの数字になりますのでその点はご理解ください。
また、気になったところとしては千葉県の空家率が19.6%から20.5%と明らかに上昇している状態になっています。全国平均が18.7%や関東大都市圏平均が16.2%に比べてもかなり悪い数字になります。
千葉県は一都三県の中でも目立って空室率が高いので、物件購入において注意が必要です。駅からの立地、幹線道路へのアクセス、需要と供給のバランスが重要なポイントになります。
フルローンが出るからと言ってイイ気になって考え浅く買い進んで行くと飛んでもない事になってしまいます。
by 向井啓和
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2010 年 6 月 11 日 金曜日
本日の日経新聞の4面に小さめでしたが「高木証券処分勧告」との記事が出ていましたが、前から注目していた話なので取り上げます。
(日経新聞http://www.nikkei.com/news/latest/article/g=96958A9C93819591E3E2E2E3968DE3E2E2E4E0E2E3E2E2E2E2E2E2E2)
というのはこの高木証券が売っていたのは不動産私募ファンドのエクイティで、その個人に売ったエクイティが元本割れと言うよりはほぼゼロになっているという事から注目しておりました。
多くの私募の不動産ファンドは現在エクイティが棄損している訳ですが、それをプロの投資家が出資しているので問題がありませんでしたがこのケースでは比較的投資経験の乏しい方に販売していた様です。
これは不動産私募ファンドのスキームが一般的に中短期で出口戦略を考えての運用の為に存在するリスクでして、もし、20年、30年の長期投資で対応していれば全く問題無かった案件かと思います。
(不動産私募ファンドの期間は3年~5年で、丁度高い所で設定して安い所で終了せざるを得なかったというのがこの問題の出発点です。)
同じ投資物件でもその後このファンドの信託受益権を買った方は潤沢なキャッシュフローを得て全く問題がない等の状況を見ると、投資期間の設定からして3年という無理のあるスキームが問題だったと分かります。
by 向井啓和
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2010 年 6 月 4 日 金曜日
ビジネススクールで不動産投資と税金の事を主に勉強しておりますが、不動産投資で下手な節税をすると酷い目にあうというのが良く分かります。(相続税脱税の記事はこちらです。→http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100603-00000031-maip-soci)
一般に税理士と言えば資格試験に合格しその道のプロと言える訳ですが、ただ、実際は試験に受かったばかりの一人の税理士は「ただ試験に受かっただけの人」と考えた方が良いでしょう。
自分の目的が不動産投資と節税であるならば資産税関連に強い事務所でなければなりませんが、不動産投資にも所得税や法人税も関係しますので一人でその全てをしっかりとカバーするのは相当厳しいと思います。
不動産投資と節税と言っても本当の意味で適切なアドバイスを出来る事務所は数名のスペシャリストがいて、それを統括するキャリアの長いプロがいる先でないと顧客のニーズに答えられないと思います。
不動産投資に関連しうる税法としては「所得税」「法人税」「消費税」「不動産取得税等」「相続税贈与税」「租税特別措置法」「地方税(固定資産税等)」「海外の税法」等が関連し、また、過去に問題となった事案の判例を調べると何が問題で否認されて何がポイントで勝訴したか等の精査が必要となります。
税法の体系が複雑なのは、法律、政令、規則、附則、取扱通知(通達)があり法律だけ見ていたのでは実務で重視されている通達等が見過ごされます。一般的には税理士試験では法律が中心であり、実際の判例まで取り扱う事は殆どありません。
つまり、試験に受かっても実践に関する事は相当抜け落ちているのです。まるで大学卒業しても英語を話せないのと同じです。
ただ、「そういった税理士を選んだあなたが悪い」、「その言いなりになって申告したあなたが悪い」という事で、主な責任は納税者に来ます。後は税理士を相手取って損害賠償請求をする位ですが大変です・・・・
by 向井啓和
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2010 年 5 月 25 日 火曜日
インターネット等で情報を提供しているとどうしても情報だけ取る不誠実な買主がいます。どうしても避けらない所ではあります。
ただ、不動産業界の怖いところは、全く素人の投資家が分からない人的なつながり等が存在するところです。また、情報には取得コストが掛っておりますがそれがなかなか理解されません。(例えば過去の取引によってその業者に手数料を払っている等)
時に、情報提供者を飛ばして売主に直接交渉に行く投資家がおりますが、そう言った情報は買主が思っているよりも意外と仲介業者の知るところとなります。
(水面下で動いていた案件に関して全くの素人の方が直接売主に問い合わせれば不自然ですので)
そう言った不誠実な買主の方とはなるべく関わらない様にしてはおりますが、それでも関わらざるを得ない場合もあります。
ただ、そう言った方は、たとえその物件を買ったとしても謄本に所有者として載る事になるので「頭隠して尻隠さず」と言ったところになります。
by 向井啓和
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2010 年 4 月 21 日 水曜日
不動産投資をされる方で物件を何年も買えていない方を見ると物件に関しての勉強ばかりされていて、ファイナンスの理論を勉強されていない気がします。
ファイナンスの基本的なモデルにおいては「時間には価値があり、それをどう評価するかが重要なポイント」でそれを味方に付けられるか否かに掛っていますが、全く分かっていない人が多数です。
例えばこんな方…は時間の価値をもっと重要視すべきです。
定年退職が近いがその前に物件を購入したい、転職をすると物件を買えないので今買っておきたい、親が元気なうちに親の銀行との「のれん」を引き継いで買っておきたい、今年は年収が多いが来年は低下するので年収の高い年のうちに買っておきたい…
等などです。
例えば、一番最後の例等は今年購入するのと来年購入するのでは税務上のメリットが全く異なります。
時間の価値≒機会(チャンス)の数
とも置き換えられます。時間の経過をただ見過ごす人は実は「限りあるチャンス」を見過ごしている事になるのです。
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2010 年 3 月 4 日 木曜日
この時期になると非常に忙しくなります。3月末案件の詰めの作業や契約、決済の準備等で大忙しです。更に、所得税の確定申告の時期でもあります。
不動産投資と税務は切っても切り離せない点ですし、資産運用の観点でレバレッジを維持していかに不動産ポートフォリオを管理し資産を増やしていくかと言うのは大切な点です。
ただ、意外と思われるのですが「税理士の方が不動産投資のローンで否認されるケースが多い」という事実があります。
税理士の方は職業柄、節税のプロなのでいかに税金の払いを少なくするという事には長けており、その為銀行の融資審査の際には逆に審査が通らない決算書や申告書になっているケースが多いのです。(赤字決算や非常に少ない利益の決算書等で…)
不動産投資の意思決定を税理士に相談して行っている方を散見されますが、本当の意図を理解していない税理士であれば「節税の鬼」になって寧ろ「資産の増加」という顧客の本来のニーズに合致しない場合も多々あります。
「節税≒資産の増加」では必ずしもない事を理解する必要があります。
「適切な納税≒銀行融資の獲得≒資産の増加」が実は資産運用に適した考え方だと思います。
by 向井啓和
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2010 年 2 月 18 日 木曜日
数日後に控えた不動産投資案件の契約にあたって、重要事項説明書を作っていく中で建物図面や検査済書が紛失されている事が発覚しました。
どうやらマンション管理組合が依頼した大規模修繕を行った業者が倒産したそうで、設計図書や検査済書等の一式書類を渡してそのまま帰って来ないという事態になっている様です。
重要事項説明を作成する過程で調べて行くと販売図面(チラシ)一枚では分からない事が見えて来ます。
問題になりそうな話なのでまず買主に連絡をしてその旨伝える事と、融資先金融機関にも事情を説明する様にさせました。仲介業務の鉄則と思うのですが「悪い報告は先にする」事が重要だからです…
契約日にそんな話聞きたくないですし、そもそもローンが通らないなら契約する意味無いですから。
by 向井啓和
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2010 年 2 月 11 日 木曜日
東京都千代田区のオーナーチェンジの物件を買われて不動産投資をしている方の物件がありますが、入居者の方が退去されました。
事務所仕様でしたので何もないと思って退去の立会に行きましたが、ビックリ仰天ユニットバスが故障しているとの事。黒い水垢が出て借主も混乱してました。
聞くとユニットバスの中に旅行用のキャリーバックを置き、その上にも荷物を置いていたそうです。約10年間その上にふたをして書類等の置き物置代わりにしていたという事で、10年ぶりに風呂桶の中を見て借主も困惑していました…「お風呂を使ってないのにお風呂に水が…」
ユニットバスをユニットバスとしての利用をしなかった訳で故障の原因は入居者にありますが、預り敷金は20万以下…
確かに昭和53年築のマンションで一度も部屋の中の大規模修繕をしていないので交換の時期かとは思っていましたが…ユニットバスの交換となると50万以上は掛るのでオーナーに何と言ったら良いかとちょっと困りました。
が、翌日パイプの洗浄をしてもらうと全く問題なく水が流れました。
そのユニットバスは「伊奈製陶株式会社」というラベルが貼ってあり、今の「INAX」の製品でした。ユニットバスの寿命は20年も使えば良いと聞いていましたが、更に10年は余裕で使えそうです。
3点式のトイレは事務所だったので多数の人が使っていたので通常以上に使われていたにも関わらず…
INAX
http://www.inax.co.jp/company/vision/index.html
by 向井啓和
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2010 年 1 月 21 日 木曜日
フルローン投資の失敗で怖い話を聞いたのでご紹介します。ある都市銀行にてですが、不動産契約書に基づいて融資の稟議を通して、ローン契約の申し込みも得てローンを実行したのですが後日契約書の「偽造」が発覚したそうです。
それでローンの全額一括返済を求めらたそうです。
良くある古典的な手法ですが、銀行に提示する売買契約書(例えば1億2000万)と実際の売買契約書(1億円)を二つ作成してそれにそれぞれ署名押印して銀行には偽の契約書を提出したそうです。
銀行としては1億2000万に対して1億円を融資したわけですが、実際の売買契約書が1億円であれば当然ながら9000万とかその前後の数字になっていたはずです。(通常の取り扱いの場合)
よって借主の約定違反となり期限前一括返済を銀行から迫られたようです。
現在フルローンで物件が誰でも買えると指導している業者には同様の事をしている先もあるそうですが、刑法における「有印私文書偽造」という罪になり得るのを理解されているか疑問です。
時々お客様から前回はフルローンで買ったのですがと書類を見せてもらいますが、明らかに物件の実力以上の借入をされており詳細を聞くと同様な回答を受けます。
こういう話は自分はうまくやっていても誰かが債務不履行になる等してその際に他の融資も調べたりして発覚するものです。今後、正規でフルローンを獲得した方は兎も角そうで無い方は上記の様なリスクを背負っている事になります。
by 向井啓和
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2010 年 1 月 6 日 水曜日
不動産投資の失敗に関してちらほら話を聞く事も増えて来ました。特にこの2-3年の間にフルローン等で物件を買い増して行かれた方が入居者の滞納や、入居率の下落等で苦労されている様です。
その中でも場合によっては特に気をつけた方が良いのが、銀行からの紹介案件の購入です。
一般的には銀行が自行の不良債権物件を持ってくると任意売却で有利な物件を買える様に思われますが、最近見たケースでは結果的に銀行に「はめられた」様な形になっています。
自行の不良債権物件を優良な顧客に貸出を付け替える事によって不良債権処理が出来るだけでなく、貸し出しも減らさない手法は銀行に取っては願ったり叶ったりです。
一方で不良債権の処理をするという点で高く売れないと回収額が足りなくなりますし、もう一方で今後長きに亘って借り入れをしてもらう借主にも配慮しなければなりません。
しかし、現実的には後者よりも、前者が配慮されている事が多い様です。
新築マンションの依頼主の不動産会社が倒産し、ゼネコンが売上を回収できず、その不動産会社やゼネコンへ債権を持っている銀行から個人の富裕層へ物件を持ち込んだりというパターンが最近多い様です。(但し、都市銀行は殆どこの様な形ではなくサービサーや専門部署へ一括で依頼してしまいます。)
ある方には某地方銀行から紹介された物件について特に店舗の想定家賃が高すぎるのでもっと価格を値引く様に第三者としてアドバイスしましたが、やはりその1,2階が入らないそうです。(私鉄の各駅停車駅でしたので3,4割家賃が割高と推定出来ましたので…)
かれこれもう1年以上経つ様に思います…
by 向井啓和
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