2009 年 3 月 17 日 火曜日
信託受益権物件の売買の注意点としていくつかご指摘したいと思います。不動産投資案件である程度の規模以上になってくると避けて通れませんので以下の点に注意されたら良いかと思います。
1. ER(エンジニアリングレポート)と実際の大規模修繕の履歴を比較する。
2. 保証会社がどこかそしてその財務状態を調べる。
3. 入居者の退去通知や滞納状態に関して確認する。
等です。
1. ER(エンジニアリングレポート)と実際の大規模修繕があまりにも大きくかけ離れている場合には、ファンドが大規模修繕のコストを絞り利益優先になっている場合があります。
えてしてファンドは物件を短期保有するつもりで持っているので大規模修繕にお金を掛けません。購入後+アルファのコストが掛かることを見越して買付価格を考慮しましょう。
2.ファンド系物件で多いのがどこかの保証会社を間に入れている入居者が多いことです。問題はその保証会社が本当に保証出来る能力があるのかです。
保証会社を運営していたリプラスが代表例ですが保証があると思っていたのがその会社が倒産するとそれが消滅します。今後も保証会社の倒産等があるかも知れませんので気をつけましょう。
3.入居者の退去通知や滞納状態に関してはファンド物件の場合情報がストレートに来ません。
多くの場合、「賃貸管理会社→物件管理会社→アセットマネジメント会社→売主側仲介会社→買主側仲介会社→買主」
となっており、滞納情報等が伝わるのに時間が掛かります。いつも情報伝達が遅れる事に関しては苦慮しますが、この点はファンド物件の難点といって良いでしょう。
ただ、その分通常の物件よりも買い手の競争にさらされづらく安く買えるメリットはあります。(現在はだいぶそれでも競争が出てきていますが・・・)
by 向井啓和
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