2009 年 8 月 5 日 水曜日
投資用不動産のRCマンション等のフルローン物件を購入してから苦労するポイントとしては、固定資産税等が高くネットキャッシュフローが圧縮される点があります。
積算価格が出るRCのフルローン物件 → 不動産価値が高い不動産物件 → 不動産担保価値が高い物件 →不動産担保価値の高い物件を持っている人は担税力がある。 → 固定資産税が高い。
という事になり、固定資産税が高くなります。固定資産税課税標準額の1.7%が固定資産税と都市計画税の合計額という事で一見数字的に大した事ない様に思われます。
が、実は収支ベースに直してみると大きな比率を占めます。
例えば2億で買った物件は仮に10%のグロス利回りであったとしても年間のグロス収入は2000万になります。
同じ物件で固定資産税課税標準額が同じく2億であった場合(積算が高くフルローンが付く物件というのはえてして固定資産税の課税標準額も高くなります。)には固定資産税の方はと言いますと減額前で340万になります。
(特例や減額等があり実際には結構減りますが…)
つまり、なんと収入額の1割近くを固定資産税と都市計画税が占めてしまうという状態もあり得ると言う事です。
積算が高いフルローンが可能なRCの物件の場合良い点もありますが、ひとたび入居率が低下した場合には固定支出の比率が更に上昇する可能性があります。
一方、中古の木造や鉄骨造の物件の場合RC程は人気が高くないのですが固定資産税も含めたレベルで見るとキャッシュフローは意外と良い場合も多くあります。特にアパートの耐用年数を貸出期間の最長期限としない金融機関を利用した場合に各年のキャッシュフローはかなり良いものとなります。
必ずしもフルローンでレバレッジを掛けて買い進むのが全ての人に取って適切で無いのは以上の様な理由からも指摘出来ます。
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by 向井啓和
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2009 年 6 月 27 日 土曜日
不動産投資では積算の出る物件でのフルローン投資が人気ではありますが、「積算が出る≒土地が広い」というケースが多いと思います。
ただ、見逃せないのが土地が広い物件と言うのは管理する面積も広いという事を意味しますので意外と大変です。グロス利回りとネット利回りの差が大きくなってしまうケースも散見されます。不動産投資で失敗しない為にもこの辺の事も気にする必要があります。
例えばですが、こちらの物件は積算価格と売却価格の差が1億近く開いておりましたが、夏になるとこんな感じに周りが茂ってきます。日当たりが良い丘陵に建てられた物件なので居住用物件としてのメリットは多々ありますが、管理面では樹木の伐採や下草の処理等で余分なコストが掛ります。
樹木の枝打や下草処理で軽く50万は掛ると言う事ですので自然の力は甘くみれません。
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2009 年 6 月 22 日 月曜日
明日はほぼフルローンでの物件の決済日となります。地域金融機関からの借入ではありますが95%のローン額となりました。金利は高めで、共同担保の提供が条件ではありましたが融資債権の保全さえ出来れば融資は全く問題ないという事の一つの現れです。
物件をある程度継続的に購入されるつもりの方は購入物件が次の物件購入にどの様な影響を与えるか考える必要があります。
また、今回は共同担保を提供する為に一部期限前返済をしました。金利の低い所にあった小さめの借入の半分を期限前返済をして、金利の高い大きい借入の為に担保の提供となりました。
通常の考えでは経済合理性が無い(金利の低い借入を返済し、金利の高い借入をする)行動に見えますが、現在の様なまだ投資収益の高い時期でキャッシュフローが回るという確信があれば悪くない選択です。
「金利の高い借入を返済し、金利の低い借入をして物件を購入する」という他の誰もが浮かぶアドバイスの逆を「今は」行っても良いのではないかと思います。
現在は金利が若干高くても「金利の低い借入を返済し、金利の高い借入をして物件を購入する」という行動が実は合理的であるというのは暫くすれば分かる事かと思います。
また、お客様で見ていてもったいないなと思うのが銀行を「荒らし過ぎる」方です。
銀行を荒らし過ぎるとは、金利の安い所安い所と借換をして行くのは住宅の様に一軒だけの購入の際には良いのですが、いずれ多少金利が高くてもチャンスなので買いたいなと思った時に荒らした銀行から相手にされなくなる現象をしめします。
銀行マンとしてはせっかく融資審査を通したのに日和見的に移られたんでは信頼関係が構築できないですよね。
不動産投資をされる方は事業者・経営者の目を持って継続的な関係を維持すべき金融機関とは細くても関係を維持すべきかと思います。そうすると多少金利が高くても、非常に良い投資案件が出た時に対処してくれるかも知れません。
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2009 年 6 月 3 日 水曜日
銀行内の「ダブルカウント」って銀行マンなら誰でも知っている事ですが、一般には知られてないかもしれないのでご紹介します。
先日あるフルローンも出している地方銀行の営業マンから連絡があり、「この前の物件Aさん買いませんか?買うならローン審査しますよ。」という誘い水がありました。
Aさんとしては軽く打診した物件に関してでしたので、その物件に関しては積算は出るものの価格がまだ高いのでやめておく事を代わりに伝えました。
すると、「また不動産投資するお客さんご紹介ください。こちらの支店で対応できないエリアの場合には他の支店をご紹介しますので…」との事でした。
銀行内では自分の支店で融資を実行すれば支店の融資残高の増加に貢献したという事で一番高い査定となります。それ以外にも自分が紹介したお客さんが他の支店で融資を受けた場合でも自分や自分の支店の成績につながります。銀行内では「ダブルカウントするので紹介案件を取れ」と言って銀行マンの背中を押します。
銀行内の話ですが、自分の支店で融資を実行したのと同じ数字を、紹介した支店に数字上の利益として「ダブル」に付けるという事をします。それを「収益をダブルカウントする」と言います。(実際には収益は一つしかないのであくまでも銀行マンの査定や評価上の収益です。)
行内で取引のチャンスや優良案件を見過ごさない様な配慮から推奨されている事です。
ただ、それもこれも担当銀行マンがやる気があるかないか、支店(長)がやる気があるかないかも影響してきます。異動の前等は動きが鈍くなりますし、異動の直後はやる気を出して対応してくれます。不動産投資の融資が中々通らない理由はそんな些細なことかもしれません。
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2009 年 6 月 1 日 月曜日
フルローンの融資を受けての売買決済が先週末ありましたが、その場でのエピソードです。
通常、決済の前に全員そろって買主や売主に一部書類を書いてもらいそれを基に融資実行というのがパターンかと思いますが、先日は事前に司法書士への登記申請の委任状等に署名されていたので、全員揃う前に融資が実行されていました。(通常応接室に全員詰められて銀行に動きを把握されている状態で融資の実行はします。)
銀行で信用を作るというのは不思議な物で、最初は銀行も性悪説で何事も見ていますが一度以上取引がある銀行の場合で返済実績(完済)等があると盤石の信用が構築出来ます。今回の融資実行の場面でもその借手は10年以上の返済実績がありかなり信用されていたと推測されます。
その本人が当日決済なので司法書士への支払い等一部預金を準備しておかなければならない事から決済場所へ行く前に通帳に記帳すると通帳に見慣れない金額が記載されていたそうです。(通常自分の口座では目にしない桁のお金が入っていたという事です。)
借手がワルなら融資金を引き出したり、色々悪さをする可能性があります。堅いと言われるメガバンクも脇が甘くなる瞬間を見た気がします。ただ、信用を得るというのは時間も掛り大変な事ですが一旦出来てしまうと怖い面もあるという事です。
フルローンが出るからといって無批判になんでも買っているとリスクが高く失敗する可能性を秘めているという事が言えます。
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2009 年 5 月 24 日 日曜日
個人が行う不動産投資の資金調達の環境としては依然厳しいものがありますが、最近の傾向として、自己資金の少ない投資を可能にしているのは別担保の存在があります。
特にフルローン等自己資金ゼロかそれに近い状態でも金融機関が貸す場合はその借手が担保となる資産をどれだけ持っているかを見る所が大きいです。また、過去例えば10年前に物件を購入して最近ローンを完済してしまった様な場合には金融機関の印象が非常に良い様です。
10年前に借りた銀行と同じでなくとも物件を購入しローンを組みそれを計画通りに返済したという履歴が信用力をアップさせます。それが1年、2年の返済履歴では信用力というところまで高まっていません。
30代の人なら引退まで約30年の年月がありますのでその期間でキャッシュフローを積み上げるという事をお考えになられたら良いのではないかと思います。フルローンかそれに近い状態でレバレッジを掛けてどんどん物件を買うという戦略はそれはそれで魅力がありますが、色々動き回って結局何も進んでいないという場合も多いかと思います。
確かに今年は格好のチャンスではありますが、また同じようなチャンスが来ないとは言えません。バブル崩壊後の整理が終了したのもまだ10年も経っていないという事もあります。
投資用不動産の金融商品化が言われておりますがあまり動かなかった不動産が動きやすくなってきたのが近年だとするとまた10年以内に大きなチャンスが巡ってくるかもしれませんし。
まずは小さくても相応なところからのスタートでも良いかもしれません。良い投資をしていれば時間が経てば成長してくるものです。
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2009 年 5 月 21 日 木曜日
千葉県のフルローンの物件を今年の3月後半に決済しましたが、数部屋空きがありましたがどうやら満室になった様です。買われた方に確認したわけでは無いのですが、インターネット上などの賃貸募集が終了した事をもって勝手にそう思っています。
不動産投資ファンドの任意売却物件でしたので、賃貸が付かない状態になっていました。
特に借り上げ社宅として賃貸をする場合には貸主が債務不履行した先とは契約が出来ないのが普通なので法人契約が入らず仕方ありませんでした。
つまり「合理的な理由があって空いている空室」だったのです。それをきっちりと説明して納得されて当初買付を入れられたお客様は気が変わったのか購入を辞退されました。
その後話を既存のお客様に持っていくと翌日には買付を入れて直ぐに銀行へ書類を提示しました。事前に前回のお客様と同じように事情を説明しました。
要は「潰れたファンド物件なので賃貸が付いてませんが、2,3か月では満室になると思います。」という事を説明しました。2か月も掛らずに、3,4部屋あった空室がきっちり埋まった事でやはり読みに間違いはなかったと安心しました。
不動産屋は信用ならぬと妙に強い疑念を持っている方は損をします。どこかで取引相手を信用する部分もなければ取引出来ないのですから…
一方、弊社調査を信用して買われた方は比較的低利のフルローン(実はオーバーローン)で物件を購入しておまけに14%台の利回りでしかも満室を享受されています。大規模修繕もしっかりされているので暫く安心でしょう。
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2009 年 5 月 14 日 木曜日
不動産投資ローンで意外と忘れられているのが信用組合を利用したローンです。場合によってはフルローンも可能なので要注目です。
ただ、信用組合は地域密着・小規模企業援助の色彩が強い金融機関の為、2億円を超える物件の購入における融資は原則難しいとお考えください。かなり時間が掛ります。ただ、2億円以下の不動産投資のローンであれば積極的に行っている先もあります。
先日来られた某信用組合の方はかなり積極的でした。ただ、全ての信用組合がそうであるとは言えませんので注意が必要です。知っている限りでは都内では信用組合で不動産投資に積極的な先は2信組だけになります。
今回来られた信組は物件評価等をエリア横断で対応している様でかなり迅速に動いてくれるます。まず、決算書類等を事前に送っておき、会社や個人の審査を先にしておきます。その際には仮に購入しないとしてもサンプルとして物件を提示して申し込みをします。
次に購入したい物件を見つけた際に資料を送って対応してもらいます。金利は調達コストの問題もあり3%台になりますが、自己資金ゼロのフルローンでの購入や修繕費等込みの融資額を融通してくれるオーバーローンの場合もあるそうです。これは私共が知っている中で最も積極的な対応です。
ただ、原則として23区内にお住まいの方が対象になります。一部、23区内で働いている方も対象になりますが、信用組合法上働く場所が変わると融資の終了となるそうです。(実際に発動される事は殆どないそうですが…)
また、金利上昇のストレステストは現況金利から2%アップ(5%台の金利)で収益還元法上収支がプラスかプラスに近いか行っている必要があります。(家賃収入は他行と同様に8掛けで計算します。)
都銀、地銀、信用金庫、信用組合で現在不動産融資に積極的な先は1行、2行、1庫、2組合となっています。どんどん状況は変わりますが、弊社では動向をフォローしていきます。
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2009 年 5 月 7 日 木曜日
弊社でまたまたフルローンの承認を個人の方が都市銀行から取れました。ただ、残念な事に他の買い手がおりましてそちらが契約する予定となっています。明日が契約予定なので明日の動向次第では急きょ動くという事になるかも知れません。
フルローンやオーバーローンの承認は取れるのですがそれ以上に自己資金を厚めに入れられる方の方がローンの承認は早めにおりますね…
仕方のない事ですが。もし運良く話が進めばラッキーと考えましょう。スピードが命の不動産投資ですが、2段構えで行くのが一番良い感じです。
まず、自己資金投下額多めでローンの申請を通し、その後契約スケジュールを決め、次に自己資金を少なめのフルローン等で申請し直す。
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2009 年 5 月 5 日 火曜日
不動産投資の大きな誤解を一つ指摘します。良く不動産投資のブログやサイトで書かれている「3年で2億の不動産資産を構築したノウハウ」云々ありますが、誇大広告と言って良いでしょう。
「3年で2億の不動産資産と負債を負った…」というのが正しいところでして、不動産投資ローンを組んで不動産投資を始めたばかりでノウハウなんてあると思えません。
不動産投資が本当に失敗せず成功の過程に入ったと言えるには、物件を購入してその後返済が進み、大規模修繕も行い、それでも満室か高稼働率で物件を運用している必要があります。本当に成功したと言えるのは残債がゼロになるか、残債と資金収支累計額が同額になった時点ではないかと思います。
(資金収支累計額が残債と同額になるという事は期限前完済が可能になったという事を意味します。)
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