‘不動産投資と税金’ カテゴリーのアーカイブ

租税条約の締結増加

日本政府の租税条約締結の増加が図られている様です。先日の日経新聞の3センチ角程度の所でマレーシアとの租税条約締結に関しての記事が出ておりました。

 

(不動産投資をされる方の中にもタックスヘブン等の研究をされている人が増えて来ています。)

 

 

日本は法人税が高く、所得税も高く、相続税や贈与税も高いので金持ちの人や儲かっている法人が海外に出て行っているという事は以前も書きましたがそれに対する対処療法的に租税条約締結国を増やしている様です。

 

 

租税条約の締結が増えれば脱税の摘発や租税回避を防げるというメリットが国としてはあります。

 

 

ただ、一方それは対処療法的なものでしか無く、いかに国内に富裕層や儲かっている会社を留めるかという根本的な発想にはまだ至っていない様です。

 

 

シンガポールやマレーシアとの税率が極端に開き過ぎるとそちらに流れるのは仕方が無く、それを食い止めるにはどの程度の差に留めるか等を研究されたら良いのではないかと思います。

 

 

例えば法人税も10%程度の差であれば日本の方が治安が良いし、雇用コストも安定しているし、労働力のレベルが高いので「日本に留まる」と言う法人が多いとしてもそれが20%も開いてきたら「新規投資は海外が殆どになってしまう。」等などを調査されたら面白いのでは。

 

 

雇用が海外に流れて行くと、勤労者の所得税、そこから生まれる消費税等など波及して税収の減少に繋がります。

 

by 向井啓和

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タックスヘブンへの逃避(日本から金持ちが消える?)

海外に不動産を100億以上お持ちの富裕層の方とミーティングしてきましたが、関心ごとは日本の税制の変化でした。現在、シンガポール等のタックスヘブンの銀行等がかなり積極的にマーケティングしている様で日本から富裕層がどんどん移住して行っているとの事です。

 

日本の税制は会社を含めて金持ちに厳しく、日本の社会も成功者に厳しいと言う事も原因の様です。

 

もし、現政権が所得税の増税をした場合に富裕層は更に加速度的に海外に資産を移し、海外に移した資産を他の海外に移し、日本には戻って来ないと言う現象が起こりそうです。特に現地法人を設立した場合に全く手が出せないというのが現状でしょう。

 

所得税増税、相続税増税等で富裕層をいじめ過ぎると取り返しのつかない事になると考えるのは私だけでしょうか…海外との差が開き過ぎるとさすがに見限られてしまう可能性が大です。

 

by 向井啓和

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年末に向けての不動産投資物件仕込み

毎年そうですが、年末に向けて投資物件をどうしても買わなければならない人もおりまして忙しくなります。

 

 

年末に向けては以下の様なニーズがあります。

 

1. 相続関係の売買を正月を前に整理しておきたい
(売却サイドも購入サイドもあります。購入の方はある一定の時期までに買換える必要があります。)

 

 

2. 会社整理や債務整理をしておきたい。
(会社の状況が芳しくない方は会社整理に伴う不動産の売却や債務整理に伴って任意売却をされます。)

 

 

3. 所得税の確定申告で今年の税額が増加してしまう方が節税目的で物件購入を年内でしたい。
(給与所得等が高い年の内に物件を購入しておいた方が、給与所得の下がる来年よりもメリットがあるので購入ニーズあります。)

 

等などがあります。

 

(3に関しては所得税は暦年で所得を判断するので、来年の1月1日以降に購入する物件のコストは今年度の確定申告に反映出来ないという事が大きな要因です。つまり、たまたま今年ボーナスが多いけれど来年は下がりそうであるのであれば今年中に買った方が必要経費として費用計上出来るので収入を圧縮出来ます。)

 

例年ですと、丁度今頃から12月10日までが最も動きの活発になる時期です。

 

 

by 向井啓和

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相続対策になりそうな不動産所有会社のM&A

相続対策になりそうな不動産所有会社のM&A案件が東京の代表的な繁華街で出ました。現在不動産会社がその法人をM&Aで所有しておりますが、所有している借地権付きのソーシャルビルごと法人を売却するというスキームです。(利回りは10%前後です。)

 

法人のまま売却するメリットは、不動産のキャピタルゲイン等の課税が無い為その分安く売却出来るという点と、借地権の名義書換料等が発生しないという点です。

 

また、相続税対策としてもメリットがありそうではあります。(但し、現状では土地保有特定会社に該当してしまいそうですので、相続時の株式の評価額が高くなる可能性があるので相続専門の税理士等への相談が必要になります。購入後の法人の多少の組み換えが必要なんでしょうか…)

 

 

土地保有特定会社
http://www.nikko.co.jp/corporate/mnr/buyback/buy06.html

 

デメリットとしては、不動産所有法人の隠れ債務等が存在する可能性等になります。

 

by 向井啓和

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法人税率と繰越欠損金の損金計上時期

日本の法人税率の高さと繰越欠損金の損金計上時期の短さが日本経済にとって問題であるとしたセミナーがACCJ(アメリカ商工会議所)でありました。

 

 

(ゲーリーさんがプレゼンしました。(ピーターソン国際経済研究所)Gary Clyde Hufbauer – Peterson Institute for International Economics, Reginald Jones Senior Fellow)

 

 

日本の法人税率が世界的に見て高いという事は他でも指摘されてましたが、彼も外国からの投融資(FDI Foreign Direct Investment)や日本の経済成長へ高税率は悪影響があると指摘しました。また、税率を下げたからと言って必ずしも税額が減少するという議論もミスリーディングであると相関関係等を提示して説明されました。

 

 

 

特に日本の現実的なチョイスとしては法人税率を徐々に引き下げ、同時に繰越欠損金の損金計上時期をアメリカ並みに延ばせばよいのでは無いかとの事です。。

 

 

 

日本は繰越欠損金を7年まで持ちこめますが、アメリカは20年まで持ち越せてベンチャービジネスのスタートアップ等には有利な環境であるという指摘でした。

 

 

 

日本の外国からのFDIは他国と比較して極端に低く、外国資本が日本を素通りしているのが明らかです。この現状を改善する事が急務です。会議のレジュメは後で日本語訳してアップします。

 

by 向井啓和

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不動産投資と節税

不動産投資と節税という事で真っ先に思い浮かぶのが法人化ですが、不動産投資が成功して行くと法人でも経費では吸収出来ない利益が出てきてしまうという状態になります。その場合幾つか考え方がある様です。

 

1.法人を複数設立(これはかなりオーソドックス、且つ一般的な方法の様です。)

2.損金計上の可能な役員向け生命保険による方法(以前は全額損金計上出来ていましたが、現在は半金のみの損金計上で若干優位性が低下)

 

3.オペレーティングリースによる方法(全額損金計上は出来ると認識されているが、リース案件の有無と外為が外貨建てである。)

 

 

 

 

1.に関しては小規模法人の受けられるメリットを得るというポイントもあり、例えば保証協会融資の対象が増える等のメリットもあります。

 

 

(保証協会等では一法人に対して保証限度額がありますが、それを複数設立でカバーする事が可能となります。)また、税率も売上や利益が少ない段階では低いのも利用される理由かと思います。

 

 

 

2.に関しては役員退職金的な要素のある生命保険の購入によって行う節税ですが、資金効率があまり良くありません。但し、購入資産が保険であるという事で、その保険を担保にいざとなれば資金調達をする事も可能となります。

 

 

これは、長期間資金がロックされてしまうと苦しい中小企業にとってはメリットとなります。

 

 

また、役員退職金のあてを確保するという他の目的も達成する事が可能となります。

 

 

 

 

3.個人では現在では行われていませんが、法人であれば全額損金計上出来るという事から面白みがあります。現在は主に船舶を利用したオペレーティングリースになります。

 

 

リース終了後に契約上は決められていませんが、ほぼ売却出来る金額が慣習として落ち着いており初年度に出資金の100%を償却出来るのもメリットです。

 

 

ただ、リース期間が比較的長くその間はキャッシュフローが無く2の生保と比べて資金調達面がかなり劣るのがデメリットです。また、外貨建てであり円高に行った場合にリスクとなります。(但し、円安に行けば円ベースでは+となります。)

 

 

 

不動産投資を法人で行っても、いずれは次に考えなければならない事が出て来ます…その際にはご相談を…

 

by 向井啓和

 

 

 

不動産投資のみならず不動産投資をいかに継続安定化させるかという事には色々な事を考えて行かなければならないという事です。それぞれの局面においてプロをご紹介出来ますので。

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不動産投資と節税、減価償却費、当期利益、金融機関の融資の関係

弊社5月末が決算日になりまして、現在試算表を作成中です。そんな中、物件購入にあたって本日金融機関とお話をしました。

 

私が以前提示していた仮の試算表は減価償却費を最も多く計上する試算表でしたので金融機関がどう反応するか見ものでしたが、やはり想定していた範囲内の状況でした。

 

 

 

まず、その金融機関の場合は法人の融資にあたり、キャッシュフローの状態を基に企業格付けを取得します。その際に、当期の利益に減価償却費等(借入金の利息等も)を追加して当期のキャッシュフローを出すそうです。

 

更に、格付けを上げる為(その企業に融資をしたいので)には当期利益の積上げである利益剰余金の額もポイントにするとの事です。当期利益を毎期出して利益剰余金が積み上がっている企業への融資が行い易い様です。(弊社はキャッシュフローも税法上の損益も問題ありません。)

 

 

 

次に金融機関の融資を得る際に重要になるのが減価償却をどの様に計上するかです。ポイントは

 

1. 建物本体と付属設備に分ける比率をどうするか(附属設備は定率法で費用計上出来るので早期に費用化し易すく節税に有利)

 

2. 減価償却によってどれだけ利益を圧縮して行くのか、その圧縮した「決算上の利益や損金」で金融機関の融資が通るかどうか

 

 

になります。

 

 

 

 

つまり、節税だけを考えれば、附属設備比率を30%等に上げて、定率法で3年等の高速償却が一見有利な様ですが、その場合には、利益を圧縮しすぎてしまう傾向があります。(キャッシュフローは潤沢になりますので、本来的には金融機関からするとリスクが低いのですが…)

 

 

そうなると、上記でも指摘した様に金融機関の審査において重要な「当期利益の継続性と利益剰余金の積み上げ」がなおざりになります。

 

 

 

また、その金融機関も言及していたのですが物件の評価で建物が古い等の場合にキャッシュフローがマイナスになる場合には「継続的な当期利益」を根拠に審査を通す場合があるそうです。

 

 

つまり、過去5年500万の利益が継続的に出ていたので、本物件のキャッシュフローがマイナス300万だが本企業の余力の範囲内であるという方向性を打ち出せる場合があるという事です。

 

 

簡単に説明しづらい部分ですが、キャッシュフローは重要であるが、当期利益を上げているという事も同様に重要であり、金融機関の融資を受ける際には鍵になるという事です。

 

 

つまり節税は程ほどにしておかなければ銀行の融資に不利に働くという事です。これは個人の場合も同様に当てはまるはずです。

 

by 向井啓和

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法人税がゼロに近くなる日

税法の授業で「100年後にもしかしたら無くなる税」というトピックスで法人税が取り上げられました。その話を友人にしたら、そんな馬鹿な事は無いと強硬に反発を受けました。

 

ところが実際には国際的に法人税は自国経済の活性化の為に引き下げ競争が起こっています。イギリスでも法人税が下がるようです。

http://www.nikkei.com/news/headline/article/g=96958A9C9381959FE0E0E2E1878DE0E0E2E4E0E2E3E29F9FEAE2E2E2

 

一方、消費税は最も捕捉し易いという事もありイギリスでも20%まで税率がアップする様です。これは国際的な潮流なので暫く止められないのではないかと思います。

 

ふと、思いついた事ですが高い法人税回避の動きはもしかしたら船に課される税(固定資産税)の流れと似た動きになる様な気がします。現在外国貿易に利用される外国船が殆どパナマ等の税率の低い国の籍となっており、日本の船会社は日本籍の船を殆ど所有していません。(便宜置籍船)

便宜置籍船
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BE%BF%E5%AE%9C%E7%BD%AE%E7%B1%8D%E8%88%B9

 

法人税がこれと似た運命にあると思われるのは世界での激烈な競争にさらされる企業は、今後税負担の低い国で法人を設立せざるを得ない状況になってくるかと思われるからです。(海運業界がそうだったように…)

 

by 向井啓和

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節税の為に買われるワンルームマンション

区分のワンルームマンションが売られておりますが、その際に「節税」をうたっているケースがあります。ただ、ワンルームマンションでの節税と言うのは事実上殆ど期待出来ません。

 

一方、数年経っても減らない残債に対して金融機関の評価は惨憺たるものです。例えば1000万の物件であっても100万台でしか物件評価されません。(また、物件数が増えると事業者的な上乗せのリスクを金融機関が想定します。例えサラリーマンであっても…)

 

そんな事で不動産投資を「展開」したいという予定があるのであれば、ワンルームマンションは練習程度にしておいた方が宜しいと思います。

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固定資産税の審査の申出(地方税法と国家賠償法)

固定資産税の審査の申出期間が順次終了して来ます。固定資産税の評価額(価格)が不当に高いという不服がある場合にはその根拠を示して申出る事が出来ますがそれには期間があります。

 

この「審査の申出」は「当該年度」の固定資産についてのみ申出が出来る事となっており、それが終了するのが納税通知書を受け取ってから60日以内となっております。

 

例えば神奈川県横浜市等の場合は4月初旬に納税通知書を発送しているので審査申出期間はほぼ終了になっております。一方東京都等は最近納税通知書を受取ってますので、もうしばらく時間的な余裕があります。

 

審査の申出はやみくもに申出しても却下されるだけなので準備が必要です。

 

特に最近多いのは事業用資産で家屋(建物)の「用途」や「種類」や「構造」の間違いが原因のケースが多いと思います。

 

また、最近これとは若干異なる経緯で固定資産税の救済がされた画期的なケースがあります。地方税法上の規定とは異なる国家賠償法の規定を利用して最高裁で納税者が勝訴した案件です。

 

恐らく市役所職員の明白なポカがあった為でしょうから、全ての案件に対して該当するとは思えません。

 

 

(詳細はこちら→http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=02&hanreiNo=80271&hanreiKbn=01)
(概略はこちら→http://www.nikkei.com/news/latest/article/g=96958A9C93819695E2E1E2E38B8DE2E1E2E4E0E2E3E29180EAE2E2E2)

 

ただ、国民が国や地方公共団体のミスが原因で起こった損害から救済されるという道を作ったという意味では相当画期的な判決に思えます。税金だけに留まらないと思われます。

 

by 向井啓和

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