2010 年 7 月 7 日 水曜日
不動産投資と節税という事で真っ先に思い浮かぶのが法人化ですが、不動産投資が成功して行くと法人でも経費では吸収出来ない利益が出てきてしまうという状態になります。その場合幾つか考え方がある様です。
1.法人を複数設立(これはかなりオーソドックス、且つ一般的な方法の様です。)
2.損金計上の可能な役員向け生命保険による方法(以前は全額損金計上出来ていましたが、現在は半金のみの損金計上で若干優位性が低下)
3.オペレーティングリースによる方法(全額損金計上は出来ると認識されているが、リース案件の有無と外為が外貨建てである。)
1.に関しては小規模法人の受けられるメリットを得るというポイントもあり、例えば保証協会融資の対象が増える等のメリットもあります。
(保証協会等では一法人に対して保証限度額がありますが、それを複数設立でカバーする事が可能となります。)また、税率も売上や利益が少ない段階では低いのも利用される理由かと思います。
2.に関しては役員退職金的な要素のある生命保険の購入によって行う節税ですが、資金効率があまり良くありません。但し、購入資産が保険であるという事で、その保険を担保にいざとなれば資金調達をする事も可能となります。
これは、長期間資金がロックされてしまうと苦しい中小企業にとってはメリットとなります。
また、役員退職金のあてを確保するという他の目的も達成する事が可能となります。
3.個人では現在では行われていませんが、法人であれば全額損金計上出来るという事から面白みがあります。現在は主に船舶を利用したオペレーティングリースになります。
リース終了後に契約上は決められていませんが、ほぼ売却出来る金額が慣習として落ち着いており初年度に出資金の100%を償却出来るのもメリットです。
ただ、リース期間が比較的長くその間はキャッシュフローが無く2の生保と比べて資金調達面がかなり劣るのがデメリットです。また、外貨建てであり円高に行った場合にリスクとなります。(但し、円安に行けば円ベースでは+となります。)
不動産投資を法人で行っても、いずれは次に考えなければならない事が出て来ます…その際にはご相談を…
by 向井啓和
不動産投資のみならず不動産投資をいかに継続安定化させるかという事には色々な事を考えて行かなければならないという事です。それぞれの局面においてプロをご紹介出来ますので。