2009 年 6 月 20 日 土曜日
日本の不動産投資の市場等にも間接的に影響を与える海外の不動産市場ですが、今後要チェックが必要かと思います。特にヨーロッパが今まで目立っていませんでしたが今後は破たん等の動きが出てくるかと思います。実際に昨日1件ありました。
ブルムバーグニュースの抜粋訳
「昨日ロンドンで1社イギリスのサイモンハラビ氏(Simon Halabi)の不動産会社が約2000億前後の負債でロンドンの9つのオフィスビルで構成されている資産担保債券がその物件価値の50%近い下落で破たんしました。
その中にはJPMorgan Chase & Co.が入居しているオフィスビルも含まれています。現在物件価値が債券の残債を下回っているとの見立てがローンの管理者であるハットフィールドフィリップスのコメントで明らかになりました。
そのビルは929ミリオンポンドと6月8日現在では評価されましたが、2006年の10月には1.83ビリオンポンドだったとローンの管理者は指摘しています。
ハラビ氏は2006年にビルを担保に資金調達しましたが、その債務が組み込まれた債券はこの10月に償還期限となります。ブルムバーグのデータによるとイギリスで今年償還を迎える債券で最大規模となります。・・・」
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=20601087&sid=au9kxl_370iw
今後は、2006年、2007年等の高い所で買っている不動産の出口時期が今年や来年に来ますので同じ様な動きが見られると思います。イギリスを含めたヨーロッパは特に東欧向けなどの案件が焦げ付く可能性が指摘出来ると思います。
また、イギリス等のヨーロッパではバルーンタイプの資金調達をしている個人の一般投資家が多くその辺りの人々が持ちこたえられるかという懸念が持たれます。
*バルーンタイプの資金調達は短期で利払いのみをする借入で、短期間(1年~3年)で借換、借換を継続する資金調達手法になっています。価値が下落すればローンが出なくなり借換が出来ずに破たんという可能性があります。
また、アメリカのサブプライムはニュースにならなくなってきていますが、今後はオルトAやジャンボと言われる借入の借換時期が来ます。現在アメリカの長期金利は政府による資金調達が大きく財政懸念がある為に大幅に上昇しております。
普通はこれらのオルトA等の設定金利は長期金利等との比較で決定されるでしょうから、これからサブプライムの第二ラウンドがどこかのタイミングで始まる可能性があります。
先進国中最も早く景気底打ち宣言をした日本ですが、「蚊にさされた程度」が「100年に一度の危機」に認識が変わったのと同じように成らないと良いと思いますが・・・・
グローバルな視点での不動産投資http://www.minato-am.com/
by 向井啓和
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