2009 年 9 月 23 日 水曜日
以前失業の増加から消費の縮小でオフィスや店舗スペースの悪化がみられるという事をブログで指摘しましたが、アメリカ商業用不動産の先行指標は悪化のペースが鈍化している様です。
詳しくは下記の英文の記事に出ていますが、今年中はともかく2010年の第2四半期位までは商業用不動産の回復と言うのは到底見込めないにしても2009年の第1四半期の様な急速な悪化から若干ペースダウンの兆候も見えるとの事です。
http://nreionline.com/finance/news/indicator_shows_decline_0819/
商業用不動産は経済全体の中では比較的遅行指標と言えるので先行して最悪期を脱したその他の指標に追随しているとも言えます。
今後、株式投資もそうなんでしょうが不動産投資でも気になる点は、「小売業がアメリカのクリスマス商戦に向けてどれだけ売上を伸ばせるか」に掛っている気がします。
もし消費の回復が見られない場合には一般に懸念される二番底への突入の可能性を懸念しなければなりません。商業用不動産対象のREITや証券化商品がサブプライムの次の懸念材料となります。
消費悪化→商業用不動産空室率増加や賃料下落→CMBS、CDOの価値下落→金融機関のポートフォリオ悪化→貸し渋りの再燃
アメリカの商業用不動産リース(賃貸)の場合多くの契約書が想定インフレ率分毎年賃料が上昇する設定になっていますので、今年も売上が振るわないとなると更なる店舗の統廃合等が見えてきます…
商業用不動産の指標については
http://www.realtor.org/research/research/commleadingindicator
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2009 年 9 月 22 日 火曜日
中国の方が住居兼投資用不動産を買われるという事で最近複数相談を受けておりますが、そんな彼らの考えを理解すると日本と中国の文化の違いを理解出来るかと思いますのでご紹介します。
不動産投資に於いて中国人の方が重視する点は以下の様な所です。
1. なるべく自己資金の中で買える物件を選択する。
2. 借入金は10年以内で期限前返済をするつもりで借りる。
3. 金利はなるべく低く。
4. なるべく身内や友人からの借入を利用する。
1.2.3.に関しては中国の方は数十年前の日本と似ていて借金イコール悪という感覚があり、その借金を出来ればせずに物件を買うという思想があります。合理的ではないにしても潔い考え方とも言えます。
そのしたくない借入も出来れば10年以内で返済して「後で(10年後)楽になりたい」というので、必死に期限前返済をされてます。
そして口癖の様に言う言葉が「現実」「現実」「現実」「現実」です。借金に対しての嫌悪感からなるべく低い金利から物事を考えるという特徴があります。その現実主義から目先の金利に目が行くようです。(将来下げてもらえる可能性があると言っても理解してもらえません。)
4.に関しては地方によって異なる様です。上海等の都会では身内からお金を借りるというのは恥ずかしい事と思う一方、南や西の方面の地方ではコミュニティー内で同胞を助け合うというのは普通の感覚の様です。
イギリス人やアメリカ人の感覚では借金しない人は馬鹿か位の考えとは正反対を行っています。ファイナンスの理論からすると低い金利は長期で返済するというのは常識なんですが、「理論」よりも「気分」や「哲学」を重視すると多くの中国の方と同じ様な考えになるんでしょうね。
いずれ時代の経過と共に考え方も変化していくとは思いますが…
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2009 年 9 月 17 日 木曜日
投資用不動産の仲介をしていて思うのですが、最近のお客様はかなり勉強されている人が多いなという事です。ご自身の資金調達に関してやライフプランに合わせて物件選択されている方もかなり多く見られます。
一方、ネットサーファー的に表面だけの知識やブログの中でも先鋭的で極端な話に感化され過ぎている人も多く見受けられます。特に、積算価格信仰、フルローン信仰、レジデンス物信仰の投資スタンスには辟易とさせられる事も多々あります。
フルローンで物件を買い進むのが良い思われる人が多すぎるというのが現在の状況です。フルローンで物件を買うには
①レジデンス物の物件が中心となる。
②積算価格が高い物が中心となる。
というのが条件です。
フルローンで買える物件の特徴として殆どキャピタルゲインが望めないという短所があるのを皆さまお忘れになられています。不動産投資の主目的がキャッシュフロー獲得であるのは疑いの無い事なのですが、キャピタルゲインが殆ど望めない物件ばかり買い進むのはどうかと思います。
また、レジデンス物は各部屋の修繕に非常にコストが掛ります。入居者が退去するごとに少なければ5万円、バスやシステムキッチンの入れ替え工事のある場合には多ければ50万~100万の費用が掛ります。
よって、グロス利回りとネット利回りの差が大きな投資となります。
2,3棟レジデンス物を買ったら、含み益のたっぷりあるキャピタルゲインも望めるレジデンス物以外の物件が本当はお勧めです。
店舗付きオフィスビル等の方が修繕費は殆ど掛らず、グロス利回りとネット利回りの差も小さいのでレジデンス物の次にはビル投資へシフトされる事をお勧めします。
弊社の貸している店舗は10年以上同じテナントが入っていています。その為その間修繕費はゼロです。また退去時でも事業用賃貸ですと借主負担にさせる事が出来るので所有者は修繕費を払いません。オフィスの場合も同じです。(借主との関係によって異なるケースもあるでしょうが)
バーゲンセールの列に並びたければフルローン物件を追いかければよいでしょうし、フリーマーケットで掘り出し物を探すのが好きであればオフィスビル、商業ビル投資なんでしょうね。
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2009 年 9 月 16 日 水曜日
東京の城南地区(港区、目黒区、品川区、大田区)の築浅RCマンションを見てきました。不動産投資の初心者にはこういった物件が安心です。(築5年以内)
自己資金2,3割で年金代わりにというのであれば最適かと思います。
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2009 年 9 月 15 日 火曜日
渋谷区の渋谷駅近隣のお洒落なエリアで売りビルが出ました。写真は「近隣の物」になります。休日は人通りも多くテナントの入居率も非常に高い状態です。
ビルなので一般投資家では手が出ずらいですが、こんな好立地でも良い売り物が再度出始めたという事です。
商業用不動産の回復が世界的には厳しい中で日本の繁華街は意外と検討しているのではないかと思います。
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2009 年 9 月 14 日 月曜日
9月末に向けての任意売却物件が出てきました。今回出て来た物件は商業ビル系が多いです。青山、銀座、横浜、渋谷等の立地になりますがどれもテナント付け中ですが入居率が低く厳しい感じです。
商業ビルやオフィスを買われるのであればこれから大チャンスが到来します。続々と新し目の物件が家賃設定高め、空室率高めで出てきます。それをいかに空室率を下げるか、いくらの家賃設定で行けば問題ないのか見極める目が必要になってきます。
写真は横浜の任意売却物件の玄関です。
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2009 年 9 月 10 日 木曜日
現在投資用不動産の購入物件が決まっているがご自身で入居する部屋等の瑕疵をリフォームしたいという方がおりまして、ちょっと困っていました。というのは一都三県と言っても結構広く、私の知り合いの業者が居ないエリアだったからです。
(流石に都内の業者に千葉の物件をやってもらったり出来ないですし、同じ千葉の業者でも柏市と千葉市ではかなり遠くなりますので…)
そんな時意外と便利なのがこのサイトです。ホームプロhttp://www.homepro.co.jp/
リフォーム業者とのトラブルを想定したシステムになっており、匿名で見積もりを複数もらったり、匿名で業者と電話で話す事も出来る様です。
リフォームでのトラブルは結構ありますので依頼者であるお客さんが保護されている形になっています。出資会社もリクルート・大阪ガス・NTT西日本・NTT東日本とお堅い所になっていますので安心感はあります。
早速千葉県のかなり郊外の物件の見積もりを依頼をしたところです。
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2009 年 9 月 8 日 火曜日
不動産投資ブログで以前もお伝えしましたが、リニア新幹線の有力な始発駅が品川駅になります。本日の日経新聞31面東京・首都圏経済面にも記事が出ておりました。(長期の投資用不動産を考えるとこういう情報は重要です。)
東海地震等の懸念もあり、バイパス的なインフラとして東海道山陽新幹線を補完する様なエリアを通る路線が必要だという認識が高まっている様です。
そんな中で品川駅構内のボーリング工事を2か月前にして地質調査を始められたとの記事が出ておりました。
東京のターミナル駅で地下の利用度が低く、駅に余裕がある所と言う事になると品川駅が最有力候補になるそうです。
確かに、東京駅や新宿駅等の駅で新たな路線を作るのはかなり至難の業でしょう。例えば新宿駅等は「丸の内線」「大江戸線」「都営新宿線」「副都心線」等などの路線が通っておりますが、品川駅の場合には「都営浅草線」のみが京浜急行乗り入れで地下鉄として通っております。
品川駅の地下はガラガラです。
投資用不動産を買う場合もこんなニュースに敏感になっておく必要があります。
今のところ停車するのは東京と名古屋で将来は大阪となるそうです。東京と名古屋の中間で甲府等も有力な経由候補駅になっている様です。
品川駅へのアクセスが便利な路線での不動産投資は将来的にもハズレが無いかも知れません。20年後、30年後という事を考えますと日本の交通の心臓部になる品川駅は無視できません。
ちなみに、地方の不動産投資という事で考えますと甲府駅周辺等も面白いのかも知れません。リニアが通れば甲府も東京の国立辺りよりも時間的には近く成ってくる事になります。
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2009 年 9 月 7 日 月曜日
不動産投資関係の仕事をしていて一番気になるが「サブプライム問題第二幕は開くのか?」という事です。
アメリカの金融機関のストレステストのお墨付きも何らかの基準を基に出されたはずですが、その基準に現在の経済状態は近づいてもしかして今後はその基準よりも悪化するのではないかと言う事です。(ストレステストは今年の春先だったと思います。)
その中で気になるポイントが二つあります。一つは失業率の上昇、もう一つはローン債権の延滞率です。サブプライム関係の整理はかなり進んでいる様ですが、以前もブログで書いた通りプライムローンの延滞が上昇しています。
つまり以前は仕事があって失業した為にローンの返済が滞った人たちが増えているという事です。
また、ローン債権の延滞に関しては商業用不動産にも大きな火種が隠されています。以前のブログでブルムバーグニュースでされていた報道を指摘しましたが、やはり数日経って日本のマスコミでも取り上げだしました。
日経新聞の記事がネットでも配信されたようです。
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20090906AT2M0501705092009.html
「金融機関が保有する同融資と関連の証券化商品の残高は約2兆ドル(約185兆円)と、金融不安のきっかけとなったサブプライムローン(信用力の低い個人向け住宅融資=1兆ドル強)を上回る規模」であるという事から見ても分かる事ですが非常に大きな不動産市場の足かせになりかねない話です。
日本もそうですがアメリカの小売業の業績は感謝祭からクリスマスに至るところで大きく決定されており、その時期に売上が追い付かない状態になった場合には更に商業用不動産市場がお寒い状態になります。売上が足りなければ店舗の整理に入りますので…当然証券化商品のデフォルトリスクが上昇します。
それがもろに銀行の貸し渋り状態に影響を与えます。上記のニュースにもある通り、商業用不動産の証券化された残高がサブプライムローン残高の倍もあるのですから…
なんとか個人消費を喚起しなければならないが、個人消費は失業者が増え、今後の見通しにも不安がある時にはどうにも盛り上がらないのが現状です。
投資用不動産のご案内はhttp://www.minato-am.com/
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2009 年 9 月 2 日 水曜日
最近ブルムバーグ等を見ていて言われ出したのが、「不況(景気後退)はまだ終わっていないかも知れない」という事です。
ゴールドマンサックスやモルガンスタンレー等の大手証券会社のエコノミスト等は強気の姿勢で景気後退の終了が見えたかの報道が日本でも一般的にされていますが、アメリカでは賛否両論です。
アメリカ等では幾つかの理由で景気後退の終了を確信するには早すぎるとの意見が出ています。
特にチューダー等のヘッジファンドからはその様な指摘が出ているそうです。不動産市況に関して言えば中古住宅販売や新築住宅販売の統計数字は改善してきていますが、住宅ローン等の滞納が進行しているそうです。
特に現在の状態は「サブプライムローン」関係のローン滞納状態は落ち着いて(Level-off)来ていますが、今度は「プライムローン」でローン債権の滞納の上昇が顕著になって来ているそうです。
サブプライムローンの膿は出てしまったが、今度は企業が解雇する等してプライムローンの借手だった人が失業等して住宅ローンが払えない状態が起きてきている様です。
また、住宅ローンに比べて規模の小さいと言われている商業用不動産のローンにおいても滞納や差押えが増加しており、不動産市場の下落や金融危機の第二幕が開くと予想している人も結構いる様です。
また、歴史的にも9月は9-11、リーマンショック等ネガティブな事が起こる事が多いので…
ちなみに私は証券アナリスト資格の保持者です。(名前出てます。↓)
日本証券アナリスト協会 http://www.saa.or.jp/apps/list/mu.html
今後も不動産市況と他の金融市場(株式、債券、外為)との関連で不動産投資を見ていきたいと思います。
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