‘ブログ’ カテゴリーのアーカイブ

不動産ファンドの動向

売り物件が引き続き減少しています。先日JREITにお勤めの先生の講義で指摘がありましたが、不動産の証券化案件が全く市場に出てこないそうです。(ファンドが損切りして来ないという事です。)

 

ではどうしているかと言えば再度身内で回すか、SPCに出資している分を減資して再度資金を投下してファイナンスを得ているそうです。(評価額が減っているので減資して損を消して、そこに対して再度ノンリコースローンを引っ張るという形です。場合によっては2,3年~5年の期間で確定しているそうです。)

 

そうなって来ると日本の不動産を購入しようとしている不動産ファンドが全く買えないのも無理は無いです…

 

10億以下の信託受益権物件はまだしも、ある程度大型の案件での動きが非常に少ないのが現状です。

 

by 向井啓和

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法人税がゼロに近くなる日

税法の授業で「100年後にもしかしたら無くなる税」というトピックスで法人税が取り上げられました。その話を友人にしたら、そんな馬鹿な事は無いと強硬に反発を受けました。

 

ところが実際には国際的に法人税は自国経済の活性化の為に引き下げ競争が起こっています。イギリスでも法人税が下がるようです。

http://www.nikkei.com/news/headline/article/g=96958A9C9381959FE0E0E2E1878DE0E0E2E4E0E2E3E29F9FEAE2E2E2

 

一方、消費税は最も捕捉し易いという事もありイギリスでも20%まで税率がアップする様です。これは国際的な潮流なので暫く止められないのではないかと思います。

 

ふと、思いついた事ですが高い法人税回避の動きはもしかしたら船に課される税(固定資産税)の流れと似た動きになる様な気がします。現在外国貿易に利用される外国船が殆どパナマ等の税率の低い国の籍となっており、日本の船会社は日本籍の船を殆ど所有していません。(便宜置籍船)

便宜置籍船
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BE%BF%E5%AE%9C%E7%BD%AE%E7%B1%8D%E8%88%B9

 

法人税がこれと似た運命にあると思われるのは世界での激烈な競争にさらされる企業は、今後税負担の低い国で法人を設立せざるを得ない状況になってくるかと思われるからです。(海運業界がそうだったように…)

 

by 向井啓和

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「日本買い中国」という不動産投資の報道

テレビ東京で「日本買い中国」という不動産投資の報道がありました。中国で不動産投資をして成功した方がその成功体験を広げる為に外国での投資を進めているという話です。

 

http://www.tv-tokyo.co.jp/emorning/tokusyu/post_1598.html

 

弊社のお客様でも中国系の方もおりますのでこの動きは少しずつ見られておりました。ただ、銀行融資が今の所上手く機能していないのでそれ程大きな物件は買えていないです。

 

ただ、現金で買える範囲(一億円以下)の物件にはかなり積極的な姿勢が目立ちます。香港、上海等の海外への感応度が高い方の購入が目立ちます。

 

by 向井啓和

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不動産投資収益性アップ

 

 

不動産投資と直接関係なさそうですが本日、日経新聞の一面に以下の記事が出ておりました。

 

「ドコモなど大手3社、携帯基地局を大幅増設
多機能端末増に対応 大容量サービスにも備え」

 

(こちらが日経新聞→http://www.nikkei.com/access/article)
(こちらが毎日新聞系→http://mainichi.jp/life/money/kabu/nsj/news/20100616214158.html)

 

「不動産投資に何で関係あるの?」と思われるかもしれませんが1棟物のマンションをお持ちである場合に周辺地域よりも高い位置に自分の物件が建っているという場合があります。

 

周りの建物との関係性で携帯基地局を置くニーズがある場合もあり、その際には毎月幾らかの設置場所費をNTTドコモ、KDDI、ソフトバンク等の企業から受け取る事が可能になります。

 

設置される機器のサイズにもよりますが、大規模な物になると月額10万近くになる場合もあり、更に1部屋資材を置く場所等でマンションを借りてくれるケースもあります。

 

周りに高い建物が少ない場所では携帯基地局を置く事によって不動産投資の収益性のアップも見込めます。ただ、工事が必要になったり、機器を設置する事によって建物に負荷が掛るという点はあります。

 

by 向井啓和

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企業再生&地方再生を妨げる固定資産税

不動産仲介をしている中で、倒産、民事再生、会社更生案件に多く関わる事になりますが、その際に時々見られるのは不動産の評価が出過ぎる物件を破たん企業が持たれているケースです。

 

銀行の融資基準では固定資産税の評価価格を参考に積算価格を出しており、固定資産税評価の高い物件の銀行融資は通り易いので「物件の評価」が出る物件は一見すると良い物件に思えます。

 

ところが、実際は逆のケースが多いのです。何というパラドックスでしょう。

 

銀行が融資をする積算価格の出る物件は「固定資産税評価額が高い≒固定資産税が高い」物件だからです。

 

その為、売買時には固定資産税評価額を基準として決まる、「登録免許税、不動産取得税、都市計画税」も全て高くなります。評価の高い物件≒収益性の低い物件というケースが多々あります。

 

最も大きな開きのあったケースでは北海道の物件で、固定資産評価額が30億オーバーに対して、実際の売買価格が5億前後の物です。収益物件としての魅力が乏しいから(実力相応)収益価格が5億前後となりました。

 

ただ、まだ問題なのは、売買コストがべらぼうに高くなってしまう事です。電卓で概算をはじくとトータルで2億を超える税金が掛って来ます。(税コストが何と40%です。)

 

その為、本来であれば地方の活性化の為になるこの物件を買う人は現れません。また、破たん企業が所有し続けていれば地方税も入って来ません。

 

by 向井啓和

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トヨタとテスラの合弁

不動産投資とは関係ないですが以前トヨタの問題が起きたときにこんなブログ書きました。

 

 

 

https://blog.minato-am.com/%e4%b8%8d%e5%8b%95%e7%94%a3%e6%8a%95%e8%b3%87/post1647.html

 

その際に指摘したのが、トヨタがNUMMI工場(GMとの合弁)をスッパリ切り捨てた事も遠因としてあるのではと指摘しましたが、やはり再度トヨタがその場所(NUMMI工場跡)を利用する様です。

 

トヨタとテスラの合弁↓
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100523-00000003-rps-bus_all

 

問題が発覚してからアメリカの元運輸長官(?)を招へいして火消しに当たったりしましたが、どこの国でも程度の差はあれ工場閉鎖等の微妙な問題は細心の注意を払う必要があるという例ですね。

 

実際トヨタ批判の急先鋒はカリフォルニアとデトロイトの議員でしたし…投資という経済活動に政治という問題が絡んだ案件でした。

 

by 向井啓和

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21年度不動産証券化実績(信託受益権物件&ファンド案件)

信託受益権・ファンド物件の動向を占う

信託受益権・ファンド物件の動向を占う

 

 

国土交通省から21年度不動産証券化実績が出ましたのご紹介します。

 

こちらはリーマンショック後の1年(事業年度)の実績値になります。この実態調査で全ての証券化案件が把握されているとは思いませんが他の証券化やファンド物件の動向を占う上で参考になります。

 

このグラフをご覧頂けば分かりますが信託受益権物件やファンド物件の実績が低下しているのがお分かりになられるかと思います。

 

平成19年度が8.8兆円に対して平成21年度は1.7兆円となっており、ピーク時の4分の1以下です。

 

このグラフは新規の組成の方なので、信託の解消や売却の動向は分かりませんがこのグラフからパラレルに3年~5年後には売却や解消がなされていると推測されます。

 

実際弊社で4月に仲介した信託受益権等も17年度の物でした。今度、平成22年度、23年度、24年度辺りにかけて高い所で組成した含み損物件が出て来る事が推測されます。

 

もう一つの特徴が開発型案件の低迷です。開発型がピーク時の10分の1となっているが顕著な特徴です。リスクマネーの減少がハッキリしていると言えます。

 

詳しくは国土交通省のこちらのプレスリリースをご覧ください。http://tochi.mlit.go.jp/tocjoh/h21syokenka.pdf

 

by 向井啓和

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みなとアセットマネジメント株式会社は創業5年を迎えます

みなとアセットマネジメント株式会社も5月末でようやく創業5年を迎えます。不動産投資に関する投資物件の仲介をメインにして運よくこの難局を切り抜けられたのもお客様のご支援あってのことと思います。

 

ブログ上ながらお礼を申し上げます。

 

信託受益権の売買等も年に数件は出来る様になって来ましたので、今後は更にフローが増えて来るはずです。

 

国土交通省の不動産証券化の実態調査というデータを見てもらえば一目了然ですが、平成18年、19年組成の信託受益権(ファンド物件)がピークとなります。http://www.mlit.go.jp/common/000040677.pdf

 

昨年度は平成17年度の証券化案件の流動化を主にしていたことになりますが、今年度と来年度はいよいよピーク時に組成された信託受益権の案件が出て来ることになります。

 

恐らく一番高い頃に設定されたファンドの物件なのでノンリコースローンの抹消が出来るかどうかがポイントであるのは変わりありませんが・・・

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香港からみた日本の不動産

外国人の為の日本の不動産購入指南(東京エリアでの不動産投資等)

外国人の為の日本の不動産購入指南(東京エリアでの不動産投資等)

 

 

昨日香港から来日されたChristopher Dillon 氏の書籍出版のパーティーに参加してきました。香港在住でありながら日本にも住んでいたこともあり不動産投資に関しても見識のある方です。香港では倉庫等をリノベーションして賃貸したり等の事業をしている様です。

 

 

そんな中で何でわざわざ日本の不動産について本を書いたのかと言う事で興味を持ちましてCCCJ(カナダ商工会議所)主催のセミナーに参加すると、結構な数の外国人と日本人の参加者でした。

 

彼のプレゼンを要約すると。

 

1.日本の人口動態の変化から日本での不動産投資ではエリア選別が最重要であり、30年、40年先の出口戦略も見据えた方が良い。

 

2.出口戦略を考える上では更に高齢化した社会が待っているので、その際に高齢者のニーズにあう物件が売却や賃貸の際に良い。(例えば大病院が近くにあるとか、バリアフリーであるとか等)

 

3.核家族化、晩婚化が進んでおり世帯数自体の増加はあるので区分けの大きい不動産よりも、小規模の物件の方が良い。

 

4.人口の減少している地方においての投資は非常に注意が必要である。

 

5.東京圏における不動産投資であれば、東京は人の入れ替わりがあっても世界に冠たる都市であり続けると思われるのでリスクが低い。

 

等などです。

 

「みなとアセット」がかなり以前から指摘していた点とダブる所も多い内容で私としては目新しさが無かったのです。

 

ただ、以下の二点を外国人の見た目でコメントされており興味深かったです。

 

 

1.日本(日本人)は変化をする事に対して躊躇し、動かない時は全くどうにもならないが、長い期間のコンセンサスを得て形成された流れが出来ると非常に早く行動する。

 

2.日本は経済的にも豊かで(家計と企業は豊かでも政府が借金漬けだが)、技術力もあり、才能ある人も多いのに何故こうもネガティブに捉えるのであろうか…

 

 

by 向井啓和

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ウォーレンバフェット氏の記事に絡んで

ウォーレンバフェット氏が来日される様です。
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2010&d=0504&f=business_0504_069.shtml

 

 

日本株投資も長期的には検討されるそうです。

 

バフェット氏は投資で成功されているのも有名ですが、日本株を買った事が無い事でも有名です。彼は韓国株や中国株は買った事があります。

 

過去のバフェット氏の投資哲学は単純で分かりやすく、高成長や独占や寡占に近い会社を買っているので日本企業にその目は無いと今まで判断されていたのでしょう。

 

更に+αで日本の政治や行政が訳が分からない不思議な点もあるからではないでしょうか…

 

更に更に、法人税が高いのも日本にはネガティブなはずです。

 

中国や韓国は法人税率が25%であるのに対して、日本は約40%となっています。これも企業活力をそぐマイナスポイントと映るのではないかと思います。

 

単純計算ですが、仮に100億の税引き前利益がある企業がその利益を全て再投資して10%の複利で成長した場合をシュミレーションしてみますと相当な差になります。

 

(5年間の税引き後の利益の将来価値の合計額を比較してみます。配当支払は考慮せず。)

 

(実際にはもっと複雑ですが、単純化しています。ある意味下記説明は正しくありません。というのは企業は成長していますので毎年100億の税前利益以上の利益が出ます。よって差はもっと開くという事です。)

 

韓国中国企業のキャッシュフローの将来価値(FV)

 

 

2010年(100億-25億)×1.1×1.1×1.1×1.1×1.1=75億×1.611=120.79

2011年(100億-25億)×1.1×1.1×1.1×1.1=75億×1.464=109.81

2012年(100億-25億)×1.1×1.1×1.1=75億×1.331=99.83

2013年(100億-25億)×1.1×1.1=75億×1.210=90.75

2014年(100億-25億)×1.1=75億×1.10=82.50

 

 

合計504億円

 

 

日本企業のキャッシュフローの将来価値(FV)

 

2010年(100億-40億)×1.1×1.1×1.1×1.1×1.1=60億×1.611=96.63

2011年(100億-40億)×1.1×1.1×1.1×1.1=60億×1.611=87.85

2012年(100億-40億)×1.1×1.1×1.1=60億×1.611=79.86

2013年(100億-40億)×1.1×1.1=60億×1.611=72.60

2014年(100億-40億)×1.1=60億×1.611=66

 

合計403億円

 

 

これの意味するところは同じ成長力のある企業であっても税率が高い日本企業は5年間に稼ぐ税引き後の利益の将来価値で比較した場合には中国韓国企業とは100億近い差となってしまいます。

 

5年前にソニーとサムソンが仮に同じ成長性を持っていたとしても相当な差になるのが分かります。

 

これでは成長を買うバフェット氏の様な長期投資家は日本株に見向きもしないでしょう。相場の短期の上下動を取るヘッジファンド位が日本株をやっているのもうなずけるところです。

 

 

 

ちなみに前原大臣も本日下記の様な発言をされたそうです。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100507-00000545-san-bus_all

 

by 向井啓和

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