2009 年 5 月 28 日 木曜日
GMの自力再生が難しくなってきたという記事を読むにつれ今後の動向が心配になります。GM破たんの日本市場に与える影響を考えてみます。
まず、直接的な影響ですが新聞紙上にも出ている通り日本の自動車部品メーカーによる売掛債権の回収が出来ず損失を被るという影響が想定されます。
次に、日本でもGMの債券を購入している富裕層や一般投資家がかなりいると思います。破たんの影響で元本の大部分が還ってこないという問題が考えられます。
他にはこれは直接的に一般には見えていませんがかなりのデリバティブ商品にGMのクレジッドデフォルトスワップ(CDS)が組み込まれていると想定されますので、日本の中小金融機関や地方銀行更にはメガバンクの持っているCDO等に影響を与えるかもしれません。多くのCDSが組み込まれた仕組み債にはファーストトゥデフォルト(First to default)やセカンドトゥデフォルト(Second to default)というスキームの商品も売られていました。
ファーストトゥデフォルト等は低金利の日本において少しでも利ザヤを稼ごうとして買われた商品ですが、例えば5社中1社もしくは2社の社債等のデフォルトによって元本が棄損する仕組みです。リーマンショック時に多くの企業が損失を計上しましたがその中にも同じような商品がありました。
イメージ的にはリーマンと同じかそれ以上日本で売られていた金融派生商品にGMは組み込まれていた様に覚えておりますが、直接的な損害を被る金融機関がこれから出てくるかも知れません。
そして不動産投資市場にはこれらの金融機関の損失の影響から再度融資が出づらくなってくるかもしれません。一旦、底打ちしかかった不動産投資市場に冷や水を掛けるきっかけに成りかねないGMの動向です。
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by 向井啓和
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