2009 年 11 月 24 日 火曜日
平日は契約や決済で気を抜けないですが、土日に収益不動産と金融商品の違い等をつらつらと考えていると不動産投資は金融商品としての構成は「新株予約権付き社債」や「転換社債」に特徴は似ているなという事が浮かびました。
新株予約権付き社債はゼロクーポンと言って利息の付かないタイプも多くありますが、それの利息が付いた金融商品がキャッシュフローを生む投資用不動産にそっくりなのです。
ただ、ポイントは新株予約権付き社債での「転換価格」や「行使価格」と「現在の株価」との差が比較的少ないのに比べて、不動産の方がかなり差が大きいという事です。「転換(開発)価格」(大化け価格と言ったら良いのでしょうか…)と現在価格の差です。
金融の世界ではオプション価値が低い状態(ファーアウトオブザマネー=行使出来る価格が現在価格からかなり遠い)とか言いますが、そういった状態が収益不動産の対象には数多く見受けられます。
殆どキャッシュフロー狙いで、積算評価重視だけの所謂「お宝不動産」は全然お宝ではないのです。「お宝風」なだけです。
本当に価値ある不動産は潜在価値を秘めた物件です。将来オプション価値が具現化される可能性を持ったものです。そういった物件はキャッシュフローを稼ぎながら、将来最低でも5割、出来れば倍近くで評価されたり売買される物件です。
海外では「リアルオプション」という考え方があり、金融商品のオプション的な考え方(確率論的な考え方)を実業世界の案件である新薬開発やベンチャービジネスの評価やM&Aの成否や開発用不動産の評価に使っています。
日本でも徐々に流行り出した考え方かも知れません。
by 向井啓和