不動産投資利回り10%信奉の落し穴

不動産市況(特に投資用不動産を買う不動産投資)が活況になってきまして、物件が減少してきております。

 

 

そんな中物件が買えない理由の一つに利回り10%信仰があります。古い物件も、新しい物件も、都心の物件も、田舎の物件も、駅近くの物件も、駅から遠い物件も全て評価する一つの基準として想定利回りがあります。そして、想定利回り10%を一つの基準にするという考えがあります。

 

 

ただ、利回りだけで物件を選んでいても意味がないなとつくづく思います。築年数の新しい物件であれば借入期間が長く取れる為、キャッシュフローが古い物件と全く異なります。また、新しい物件の場合には修繕費等のコストが当面掛りませんので維持費が安く済みます。

 

 

築1,2年の物件等の場合によっては固定資産税の減免を受けている場合もあります。その為ネットの利回りが他の物件よりも高くなり、想定とネットの差が小さくなります。

 

 

そういった違いやメリットを全く考慮せずに足切りして行くと投資のチャンスを逃すことになります。

 

 

また、考え方ではありますが、2億の物件の年収が2000万であれば、ざっとNETで8%年間残ると考えると2億×8%=1600万です。1年間持っていればそれだけのキャッシュフローがあります。(一部は残債の減少に、一部は自己資金の増加に回ります。)

 

 

結局、価格が幾らであっても利回りが幾らであっても年間1600万入ってくると考えた場合、その分だけ高い値段で買う事に強い抵抗を抱く必要があるのか?と思うのです。

 

 

例えば2億1600万で買うという事ですが…そうなると約9.2%の想定利回りになります。

 

 

新築など堅い物件であれば今年2億1600万で買って1年持っていれば、1年後に同じ物件を2億で買ったのと同じという事ですよね??(もちろん競争や邪魔が入りますので買えないでしょうが…)もし、今年2億1600万で買った人は来年は他の物件を買える状態に再度成っているかもしれません。

 

 

(「今年利回り9.2%で物件を購入≒来年利回り10%で同じ物件を購入」単純化して考えれば左記の様な考えが出来ます。)

市場が上昇している時の思考として、「時間に価値がある」という事を理解する必要があります。利回りに固執するが故に時間を浪費するぐらいであれば、新しい良い物件であれば利回りが若干低くても買って一年でその差額を回収したと考えたらどうでしょうか?

 

 

ファイナンスの世界では時間を浪費するという事は損失と考えます。時間には価値があります。投資において「時間という価値」をうまく利用する必要があります。

不動産投資のご相談はhttp://www.minato-am.com/

 

by  向井啓和

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コメント / トラックバック 1 件

寺本 敦彦 より:

確かに、未来の3~5年間の修繕・改修・設備更新などのデューデリ査定による費用と賃貸料動向予測、そして固定維持管理費用を勘案してネット利回りを中長期で判断することが、一棟収益不動産投資のポイントだと思います。よく利回りと地域、及び予算を指定して案件を探す方がおりますが、そういう方に限り購入できないのは事実です。
将来数年間に渡るネット利回りを予測する行為の中で手堅い案件を発掘してゆく能力無で投資する方は危険だと思います。

2009 年 6 月 7 日 8:32 PM

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