売主が非居住者の外国人の場合の注意点 2

「売主」が外国人等の非居住者等の場合の注意点があります。知らないと怖いです。

 

 

 

それは、登記移転の際に必要となる場合の多い「外国人登録原票」という書類です。実は、昨年の7月に法改正がありまして、以前の 外国人登録制度と異なる制度がスタートしましたが、その為の混乱が生じています。

 

 

以前であれば外国人が物件を売却する場合には「登録事項記載証明」という本人確認の書類が市(区)役所から出ておりましたが、 現在は出ません。

 

 

その代り住民票が出ます。

 

 

ところが、非居住者の場合には当然ながら住民票が出ませんのでそこで問題となります。

 

 

私が経験した売買の場合ですが、品川の物件でしたので管轄法務局の登記官と連絡を密にして最終的に必要となる書類が以下の物に なりました。

 

 

 

1. 在留を証する書面(香港の場合には住民登録等の制度がなく日本でいう住民票が出ない。その為、公証役場に電気代の 請求書やその他の書類を複数持って行って宣誓供述書を作成します。)

 

 

2. サイン証明(公証役場に置いてサイン証明を得る)

 

 

3. 上申書(登記上の住所と現在の住所が異なるが売主は私ですよと言った内容を説明する書類)

 

 

4. 外国人登録原票等

 

 

 

 

私の顧客の場合には偶然でしたが、外国人登録原票ではありませんが出国前に記載事項証明を取得していたので登記官はその記載事項 証明でも外国人登録原票に代替して対応出来ると言われておりました。

 

 

しかし、他の法務局が同じ対応をするかは不明です。

 

 

ここで問題なのがこの外国人登録原票は現在は法務局が全国の案件を一手に引き受けて対応しており、取得まで最長1か月かかる事です。

 

(つまり、契約時にはほぼ行けると思った日程から1か月遅れる可能性があるという事です。買主が協力的な人でなければ不信感から違約にて解約をされる可能性もあります。)

 

 

また、本人による申請と取得のみが原則とされています。ここで問題は代理人による申請が出来なければ海外にいる人は申請出来ない という事になります。

 

 

一時帰国時に受け取るという事もかなりハードルが高くなります。

 

 

私の場合には形式上の本人申請で郵便にて申請をし、受取を日本に入国時に本人にしてもらうという対応をしました。

 

 

それでも一日当たり300件もの申請があるそうですので1週間程掛かりましたが、かなり何度も担当者に苦情の電話しての対応と なりました。

 

 

明らかなシステムの破たんです。改悪と言っても良い様な書類出力の遅さ…こんな塩梅では海外から外国人や投資を呼び込むなんて あり得ない状態です。

 

 

民主党政権時代に改悪された制度、せめて最長1週間では対応出来る様にされたらと思います。以前はカードでその場で出ていた物が 制度がなくなって「1か月も」掛かるのでは日本政府の対応は笑い話になってしまいます。

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