2013 年 5 月 15 日 水曜日
先日、日本勤務時代に物件を買われて現在は香港に異動になられた方の物件売買の契約をしましたが、結構大変でした。
というのは、売買契約と決済の両方を本人が来るのは大変だろうという事で代理人による契約をしましたが、それが意外とてこずりました。
更に、買主は手付金を提供する訳ですが、慎重になりまして金額の減額を要求されてしまいました。
また、特に説明が厄介でしたのが、非居住者の不動産売却における所得税の源泉徴収に関してです。非居住者の場合には、不動産を売却してそのまま資金を海外送金するなどした場合に脱税をすることが容易に出来ます。また、その後の追跡も困難です。
その為、税務当局は非居住者の所有物件の売却においては買主に源泉徴収義務を課しています。その税率が10%となり、現在は復興増税分の0.21%が追加となり合計10.21%になります。
つまり、1億の物件を売却した場合には1,021万も少ない金額を売主は受け取ることになります。
これは長期保有で売却した場合にはなんと50%のキャピタルゲインまでは税務当局がとりっぱぐれない様にする為の処置です。(50%×税率20%=10%)
売主としては頭では分かっていても納得の行かないようでした。(当然確定申告で税額が少なければ還付されます。)
不動産会社でもあまり非居住者の売却のケースをやることは少ないので、場合によってこの源泉徴収を忘れると大変なことになります。
まず、買主が所得税法違反になり課税されます。次に、買主から当然仲介業者は訴えられる、若しくはその損失分を請求されます。
つまり、仲介会社も受け取り手数料の3%等ゆうに超えた損失が被ることになります。
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