2011 年 8 月 29 日 月曜日
倒産隔離(Bankruptcy remote)と聞いてなんの事やらという人が多いのではないかと思いますが…
倒産隔離は海外の金融機関の考え方を如実に表している言葉なのでその概念をご紹介します。不動産証券化等においては倒産隔離(Bankruptcy remote)が必須となります。
銀行や債権の投資家(メザニンホールダー)がローンを保有するにあたって重要視されているのが、「倒産が連鎖しないか」です。倒産が連鎖するというのは例えば以下の様な場合です。
Aさんが個人で飲食店を経営しているとします。一方Aさんは不動産投資もしています。
当初はどちらも好調だったのですが、風評被害で飲食店事業が傾いたとします。
そうなると全く問題無い不動産投資の収益から飲食事業の損失補てんがなされます。そして、更に時間が経過すると当初問題のなかった不動産投資も足を引っ張られ失敗となります。
この様に一つの失敗が次の失敗につながる状態が金融機関からしてみると最悪な訳でしてこれを避ける為に倒産隔離をします。(個々の事業を細分化して法人化するという事です…)
一つの事業悪化が他の事業悪化に飛び火しない様に防火壁を立てる様なイメージです。
海外の金融機関の徹底している点は個人への融資を避ける事です。個人の他の債務状態の悪化が投資にも影響を及ぼさない為です。また、日本との違いはノンリコースでローンを組んでいる点もあります。
リコースローンであれば個人への融資はプレッシャーにもなり、どこまでも付いて回るので日本の銀行が個人融資を好むのと全く逆の発想となります。どんなに不動産事業が良くても他の事で個人が破産されると面倒になるのがアメリカ等の海外の状況の様です。
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