2010 年 6 月 のアーカイブ

不動産投資と節税、減価償却費、当期利益、金融機関の融資の関係

弊社5月末が決算日になりまして、現在試算表を作成中です。そんな中、物件購入にあたって本日金融機関とお話をしました。

 

私が以前提示していた仮の試算表は減価償却費を最も多く計上する試算表でしたので金融機関がどう反応するか見ものでしたが、やはり想定していた範囲内の状況でした。

 

 

 

まず、その金融機関の場合は法人の融資にあたり、キャッシュフローの状態を基に企業格付けを取得します。その際に、当期の利益に減価償却費等(借入金の利息等も)を追加して当期のキャッシュフローを出すそうです。

 

更に、格付けを上げる為(その企業に融資をしたいので)には当期利益の積上げである利益剰余金の額もポイントにするとの事です。当期利益を毎期出して利益剰余金が積み上がっている企業への融資が行い易い様です。(弊社はキャッシュフローも税法上の損益も問題ありません。)

 

 

 

次に金融機関の融資を得る際に重要になるのが減価償却をどの様に計上するかです。ポイントは

 

1. 建物本体と付属設備に分ける比率をどうするか(附属設備は定率法で費用計上出来るので早期に費用化し易すく節税に有利)

 

2. 減価償却によってどれだけ利益を圧縮して行くのか、その圧縮した「決算上の利益や損金」で金融機関の融資が通るかどうか

 

 

になります。

 

 

 

 

つまり、節税だけを考えれば、附属設備比率を30%等に上げて、定率法で3年等の高速償却が一見有利な様ですが、その場合には、利益を圧縮しすぎてしまう傾向があります。(キャッシュフローは潤沢になりますので、本来的には金融機関からするとリスクが低いのですが…)

 

 

そうなると、上記でも指摘した様に金融機関の審査において重要な「当期利益の継続性と利益剰余金の積み上げ」がなおざりになります。

 

 

 

また、その金融機関も言及していたのですが物件の評価で建物が古い等の場合にキャッシュフローがマイナスになる場合には「継続的な当期利益」を根拠に審査を通す場合があるそうです。

 

 

つまり、過去5年500万の利益が継続的に出ていたので、本物件のキャッシュフローがマイナス300万だが本企業の余力の範囲内であるという方向性を打ち出せる場合があるという事です。

 

 

簡単に説明しづらい部分ですが、キャッシュフローは重要であるが、当期利益を上げているという事も同様に重要であり、金融機関の融資を受ける際には鍵になるという事です。

 

 

つまり節税は程ほどにしておかなければ銀行の融資に不利に働くという事です。これは個人の場合も同様に当てはまるはずです。

 

by 向井啓和

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法人税がゼロに近くなる日

税法の授業で「100年後にもしかしたら無くなる税」というトピックスで法人税が取り上げられました。その話を友人にしたら、そんな馬鹿な事は無いと強硬に反発を受けました。

 

ところが実際には国際的に法人税は自国経済の活性化の為に引き下げ競争が起こっています。イギリスでも法人税が下がるようです。

http://www.nikkei.com/news/headline/article/g=96958A9C9381959FE0E0E2E1878DE0E0E2E4E0E2E3E29F9FEAE2E2E2

 

一方、消費税は最も捕捉し易いという事もありイギリスでも20%まで税率がアップする様です。これは国際的な潮流なので暫く止められないのではないかと思います。

 

ふと、思いついた事ですが高い法人税回避の動きはもしかしたら船に課される税(固定資産税)の流れと似た動きになる様な気がします。現在外国貿易に利用される外国船が殆どパナマ等の税率の低い国の籍となっており、日本の船会社は日本籍の船を殆ど所有していません。(便宜置籍船)

便宜置籍船
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BE%BF%E5%AE%9C%E7%BD%AE%E7%B1%8D%E8%88%B9

 

法人税がこれと似た運命にあると思われるのは世界での激烈な競争にさらされる企業は、今後税負担の低い国で法人を設立せざるを得ない状況になってくるかと思われるからです。(海運業界がそうだったように…)

 

by 向井啓和

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「日本買い中国」という不動産投資の報道

テレビ東京で「日本買い中国」という不動産投資の報道がありました。中国で不動産投資をして成功した方がその成功体験を広げる為に外国での投資を進めているという話です。

 

http://www.tv-tokyo.co.jp/emorning/tokusyu/post_1598.html

 

弊社のお客様でも中国系の方もおりますのでこの動きは少しずつ見られておりました。ただ、銀行融資が今の所上手く機能していないのでそれ程大きな物件は買えていないです。

 

ただ、現金で買える範囲(一億円以下)の物件にはかなり積極的な姿勢が目立ちます。香港、上海等の海外への感応度が高い方の購入が目立ちます。

 

by 向井啓和

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節税の為に買われるワンルームマンション

区分のワンルームマンションが売られておりますが、その際に「節税」をうたっているケースがあります。ただ、ワンルームマンションでの節税と言うのは事実上殆ど期待出来ません。

 

一方、数年経っても減らない残債に対して金融機関の評価は惨憺たるものです。例えば1000万の物件であっても100万台でしか物件評価されません。(また、物件数が増えると事業者的な上乗せのリスクを金融機関が想定します。例えサラリーマンであっても…)

 

そんな事で不動産投資を「展開」したいという予定があるのであれば、ワンルームマンションは練習程度にしておいた方が宜しいと思います。

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女性と不動産投資

東京都港区の高輪ザ・レジデンス決済前確認

東京都港区の高輪ザ・レジデンス決済前確認

高輪ザ・レジデンス決済前確認 居住兼投資用物件

高輪ザ・レジデンス決済前確認 居住兼投資用物件

東京都港区高輪の高輪ザ・レジデンスからの眺め(明治学院大方面)

東京都港区高輪の高輪ザ・レジデンスからの眺め(明治学院大方面)

 

 

本日、外資系の銀行で香港から来られている女性の方と東京都港区高輪のマンションの決済を行って来ました。

 

居住用のマンションではありますが、購入の意図は居住半分、投資半分といった所でした。30代前半ですが、ビジネスで成功されている女性でシビアでありますが、決断もはっきりしています。

 

出張や海外出張にも便利な品川駅に近いというところがポイントでした。

 

女性の方でも不動産投資に理解が深い方が最近は増えてきておりまして、取引をご一緒する機会も格段に増えてきております。

 

同じ投資でも株式投資やFXが「切った張った」の世界であるのに対して、不動産投資が長期的でゆっくり出来る事もあり女性にもあっているのかもしれません。

 

by 向井啓和

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不動産投資収益性アップ

 

 

不動産投資と直接関係なさそうですが本日、日経新聞の一面に以下の記事が出ておりました。

 

「ドコモなど大手3社、携帯基地局を大幅増設
多機能端末増に対応 大容量サービスにも備え」

 

(こちらが日経新聞→http://www.nikkei.com/access/article)
(こちらが毎日新聞系→http://mainichi.jp/life/money/kabu/nsj/news/20100616214158.html)

 

「不動産投資に何で関係あるの?」と思われるかもしれませんが1棟物のマンションをお持ちである場合に周辺地域よりも高い位置に自分の物件が建っているという場合があります。

 

周りの建物との関係性で携帯基地局を置くニーズがある場合もあり、その際には毎月幾らかの設置場所費をNTTドコモ、KDDI、ソフトバンク等の企業から受け取る事が可能になります。

 

設置される機器のサイズにもよりますが、大規模な物になると月額10万近くになる場合もあり、更に1部屋資材を置く場所等でマンションを借りてくれるケースもあります。

 

周りに高い建物が少ない場所では携帯基地局を置く事によって不動産投資の収益性のアップも見込めます。ただ、工事が必要になったり、機器を設置する事によって建物に負荷が掛るという点はあります。

 

by 向井啓和

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空室率の上昇(総務省発表)

だいぶ前ですが不動産投資に関係ある総務省発表の住宅・土地統計調査というのが出ましたのでご紹介します。http://www.stat.go.jp/data/jyutaku/2008/10_1.htm

 

 

簡単にまとめると平成20年調査によると空き家率が13.1%と全国を通じて過去最高となったそうです。全くほったらかしにされている物件も、そうでない物件もトータルの数字になりますのでその点はご理解ください。

 

 

また、気になったところとしては千葉県の空家率が19.6%から20.5%と明らかに上昇している状態になっています。全国平均が18.7%や関東大都市圏平均が16.2%に比べてもかなり悪い数字になります。

 

 

千葉県は一都三県の中でも目立って空室率が高いので、物件購入において注意が必要です。駅からの立地、幹線道路へのアクセス、需要と供給のバランスが重要なポイントになります。

 

 

フルローンが出るからと言ってイイ気になって考え浅く買い進んで行くと飛んでもない事になってしまいます。

 

by 向井啓和

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埼玉県の売りビル(投資用不動産)

埼玉県の投資用不動産(売りビル)

埼玉県の投資用不動産(売りビル)

 

 

埼玉県の売りビルです。ブログ紹介OKだったので紹介します。

 

 

埼玉県のターミナル駅から徒歩5分程度の立地にあるビルで築年はまだ確認しておりませんが、みたとおりですので築15年以内の物件かと思います。

 

 

想定利回りは9%前半台で、テナントが大手、外資生命保険会社、病院、学習塾、等の優良テナントが入っております。一室空室があるので自社ビルとして一部利用されるのも手かと思います。

 

 

金額は10億だとの事です。首都圏に拠点を幾つか欲しいという法人にも適するのではないかと思います。

 

by 向井啓和

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中古マンションのレノベーション

五反田駅の中古マンション(自分でレノベーション)

五反田駅の中古マンション(自分でレノベーション)

五反田駅の中古マンションのキッチン周り

五反田駅の中古マンションのキッチン周り

 

 

山手線の五反田駅近辺の中古マンションを買われた方からメールが来たのでご紹介。以前はボロボロでしたこのマンションもフローリングを落ち着いた色調の物に代えて、水周りを修繕した様です。

 

 

昭和40年位の同じマンションに売りが出てそれを弊社経由で買われました。

 

買われたのはアメリカ人の方でしたが、あまり古さは気にされていませんでした。そのアメリカ人が五反田駅周辺は恵比寿の様にお洒落になると予言してましたが、なかなか面白い指摘だなと思いました。

 

特に昔ソニーが本社を持っていた所にかけての通称ソニー通りあたりは良くなるとしきりに自画自賛。

 

確かに小規模なお洒落なお店が徐々に増えだした感はあります。

 

 

by 向井啓和

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不動産ファンドのエクイティ出資(高木証券処分勧告)

本日の日経新聞の4面に小さめでしたが「高木証券処分勧告」との記事が出ていましたが、前から注目していた話なので取り上げます。

 

(日経新聞http://www.nikkei.com/news/latest/article/g=96958A9C93819591E3E2E2E3968DE3E2E2E4E0E2E3E2E2E2E2E2E2E2

 

というのはこの高木証券が売っていたのは不動産私募ファンドのエクイティで、その個人に売ったエクイティが元本割れと言うよりはほぼゼロになっているという事から注目しておりました。

 

多くの私募の不動産ファンドは現在エクイティが棄損している訳ですが、それをプロの投資家が出資しているので問題がありませんでしたがこのケースでは比較的投資経験の乏しい方に販売していた様です。

 

これは不動産私募ファンドのスキームが一般的に中短期で出口戦略を考えての運用の為に存在するリスクでして、もし、20年、30年の長期投資で対応していれば全く問題無かった案件かと思います。

 

(不動産私募ファンドの期間は3年~5年で、丁度高い所で設定して安い所で終了せざるを得なかったというのがこの問題の出発点です。)

 

同じ投資物件でもその後このファンドの信託受益権を買った方は潤沢なキャッシュフローを得て全く問題がない等の状況を見ると、投資期間の設定からして3年という無理のあるスキームが問題だったと分かります。

 

by 向井啓和

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